傑作!目に留まったら読むべし

この作品の大きな魅力は丁寧な人物描写とシリアス&コミカルの絶妙なバランスだと思います。

主人公のメインウェポンは無念に果てた勇者(自分)の聖剣、
その取手は初めて殺した人族兵の遺骨製(故人の魂入り)、
騎竜は自分が討伐したドラゴンの遺児、
身に纏う鎧は騎竜父を素材にしたドラゴンスケイル、
死んだらアンデッド復活が死霊王の好意で約束されている、
等など並べると鬼畜・悪役感がヒドいですが中の人は心の底から勇者(量産型)というギャップが新しいww

主人公の生い立ちや目標がヘビィ&シリアスてんこ盛り。
それなのに鬱展開にならず、必ずどこかにコミカルさや温かさが織り込まれており、絶妙なバランスでストーリーが進む。

爽快な無双や復讐なんて単純なものはなく、主人公とそれを取り巻く人々の親愛や葛藤・哀切が丁寧に、でもどこか救いが感じられる語りで描かれており、とても読ませる作品です。