第14話 堂島vs冒険者②

「揺さぶりをかけるから四方に展開して挟み撃ちでいくぞ!」

「「了解!」」


 そうして、冒険者が準備している間に堂島は新しい魔法がどんなものなのかワクワクしていた。


「(さて、あいつに使ってみるか)」


 そう思い立ち、左にいる片手剣持ちの冒険者と両手剣持ちの冒険者に目がけて今手に入れた魔法を心の中で唱える。

 すると今までボール状だった魔法が急に先を尖らせ細い棒状になっている。そして、冒険者に向かって飛んでいきしっかり光の粒子へと変えていく。

 これが新しく覚えたファイアーランスだ。先が尖っていてファイアーボールよりも殺傷能力が少しだけ上がっており、更に個数もボールが1つに対しランスは2本あるのだ。


「まじかよっ!?」

「ちょっと待てよ。まだ本気じゃなかったのか!?」


 いきなり現れたファイアーランスに驚き、そして底の知れない実力に慄いていた。

 だが、堂島も驚いていた。まさか殺傷能力も上がって1つの魔法で2つも出てくると思っていなかったからだ。思ったよりも使い勝手が良いので嬉しく思いながら、ファイアーランスとその他ボールを冒険者に放ち早く他の初級魔法もレベル3にしようと使い続ける。


「ただでさえ、多重詠唱で捌く魔法が多いのにランスまであるのかよ…」

「反則並の強さじゃねぇか」

「フロアのモンスターが弱いからって、油断したの間違いだったな」

「くそっ!手も足も出ねぇじゃねぇか…」


 冒険者は次々と飛んでくる魔法にイラつきながら、攻撃に転じることが出来ない事実に愚痴をこぼしていた。

 するとそこに…


「みんな離れて!」

「「!?!?」」

「中級魔法・火魔法!」


 唯一生き残っていた魔法職のブーマーは練り上げた魔力でいくつものファイアーボールを堂島に向かって放つ。

 そのファイアーボールは堂島のよりも大きく、更にはぶつかった威力も堂島のより強かった。


「やったか!?」

「ナイスだ!ブーマー!」

「…待て!まだ終わってない!」


 ブーマーの魔法の威力によって巻き上がった土煙も晴れると無傷の堂島が佇んでいた。


「全く効かんな。そろそろ死んでもらおうか?」


 そう言うと、あんなにたくさんいた冒険者もワトリングを残して誰一人としていなくなった。そんなワトリングも満身創痍でもう抗う力も残っていなかった。


「…くそ…俺の負けだ。だが、次は負けねぇからな…」

「次も私が勝ちますよ」


 こうして、ワトリングにとどめを刺し堂島の初戦闘は終結した。内容だけ見ると堂島の圧勝のように見えるが、堂島自身もう魔力もほとんどなかったから焦っていたのであった。


「(何とか勝てた…これもこのスキルのおかげだな…)」


 堂島が魔法で遊んでいた時に間違って被弾してしまった際に得た新しいスキル。それが、魔法吸収スキル。

 先程から冒険者たちがいくら魔法を堂島に放っても効かないのはこのスキルの効果で堂島に吸収され、魔力として変換されていたからだ。


「このスキルは反則だな…はは…」

「マスターお疲れ様でした」

「ガイドありがとう。今日は疲れたからもう休むよ」

「はい。ゆっくり休んでくださいね」


「(今日は濃い1日だったな…それよりももっと魔法のスキルを上げないとな…それに近接戦闘になった時でも戦えるようにしないと…やることがたくさんだ)」


 堂島は今日の戦闘で痛感したことを反省し、マスタールームに転移していた。

 そして、この成長するダンジョンが更なる脅威を生むのはまだまだこれからなのである。


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スキル


・ダンジョン作成(レベル2/10%)…ダンジョンマスターになりダンジョンを作成、育成、強化が出来る

・???…???

・???…???

・???…???

・???…???

・鑑定(レベル2/62%)…あらゆるものを鑑定し確認することが出来る、レベルが上がればより詳しく鑑定できる

・無詠唱(レベル-/-)…魔法名を発さずに思うだけで魔法を放つことが出来る

・多重詠唱(レベル2/58%)…魔法を複数展開することが可能。レベルに応じて展開数が変化する

・魔法吸収(レベル-/-)…取得している属性魔法なら吸収が可能。吸収した魔法は魔力に変換することが可能




魔法

初級魔法・火魔法(レベル3/6%)

初級魔法・水魔法(レベル2/92%)

初級魔法・土魔法(レベル2/84%)

初級魔法・光魔法(レベル2/82%)

初級魔法・闇魔法(レベル2/72%)

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ダンジョン作成スキルって何? さぼ @sabo0306

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