三年連続で参加したKACをふり返って思う、人気の出る作品の傾向とこれから。
無月弟(無月蒼)
KACをふり返って思うこと
2021年KAC最後のお題、『ゴール』投稿完了っと。
ふう、長かったKACも、何とかゴールすることができました。
というわけで、ここからはエクストラステージと言いますか、KACをふり返って感じたことを、書いて行こうと思います。
最初にKAC企画があったのは今から二年前。2019年の春でした。
その時は自分は皆勤こそ逃したものの、一回だけレビュー数一位と応援数一位を取ることができて、いい思い出になりましたよ。
続く2020年と今年は完走することができたのですが、たくさんの作品を書いて読んで繰り返しているうちに、ふと思いました。
KACではいったい、どんな作品が人気が出るのだろう、と。
そんなわけで今年と過去二年のKACのデータを元に、どんな作品が人気があるかを、自分なりに分析してみました。
今年のKACはもう終わりですけど、もしも来年参加するぞという人は、是非参考にしてみてください。
……といっても、何分素人の分析ですから。もしかしたら的外れな事を言っているかもしれません。話半分に聞いてください。
さあ、気を取り直して紹介していきましょう。
人気の出る作品 その1
ハイクオリティの、面白い作品!
……えーと、当たり前ですね。
面白い作品の全てが高評価を受けるとは限りませんけど、面白くない作品が人気が出るわけじゃないですから。
だけどKACの場合面白さにプラスして、人気が出るためには外せない条件があるのですよ。それは、いかにお題を上手く話しに組み込んでいるかと言うこと。
KACって、毎回お題があるじゃないですか。限られた時間の中で、お題をちゃんとクリアした面白い話を書くのは、中々難しいものです。
自分の場合、いいアイディアが浮かばなかったため、ストーリーの中に無理やりお題をねじ込んだだけの話というのが、結構ありました。そしてそういう作品ほど、星が伸び悩んだのを覚えています。
人気作を作りたいと思うのなら、お題はどう話に組み込むかをちゃんと考えた上で書くことをお勧めします。やっつけで作ったお話だと、読者にもそれが伝わってしまいますから。
それじゃあ、どんどんいきます。
人気の出る作品 その2
ちょっといやらしい感じのタイトルやキャッチコピーの作品。
検索機能にKAC2021○○と入力して人気順に並べると、必ず上位にこんな感じのタイトルがちらほら出て来るのですよ。
そしてたぶんですけど、これは星以上にPVの獲得に繋がっているように思いました。みんな何を期待して読んでいるかは、想像に難くありませんね。
続いていきます。
人気の出る作品 その3
思わず吹き出すようなギャグコメディ。
これは実体験から感じた事です。
ギャグコメディ全てが高い評価を受けるわけではありませんけど、上手く注目を浴びることができたら面白いように星が入っていきました。
これはコメディが万人受けし易いのが理由ではないかと考えています。恋愛小説はあまり好みでない人やホラーが苦手という人はいても、コメディが苦手な人って、あまりいませんから。
それにKAC作品は4000文字以下という制限があるのも、理由の一つだと思います。この長さだとスケールの大きな物語や、登場人物に大きく感情移入できる話を作るよりも、気軽に読めてクスッと笑うことができるコメディの方が、作りやすいのかもしれません。
もう一つあります。
人気の出る作品 その4
エッセイ・ノンフィクション。または事実を織り交ぜた作品。
KAC参加作品を人気順に見てみると、上位の方にエッセイ・ノンフィクションがぽつぽつと見られたのですよ。
そして振り返ってみたら、自分にも心当たりがありました。
今年のKACの『直感』と『尊い』。二つとも最初はいい話が浮かばずに、とりあえずで書いた作品を投稿していたのですが、後になってお題に沿ったエッセイが浮かんだので、書いて投稿してみました。
そしたらあっと言う間に、先に投稿していた作品の星を抜いて行ったのです。
で、よくよく考えてみると以前にも事実を元にしたフィクション作品を投稿していたのですが、これも星の入りが良かったです。
ハッキリとした理由は分かりませんけど、作り話でなく実際に起こった出来事を紹介した方が、どんな事があったのだろうと興味をそそられるのかもしれません。
ちなみにこの実話人気説をカクヨムに登録している兄に教えたところ、その後書いたエッセイや半分実話のフィクションがけっこう星を貰っていました。
たまたま偶然が続いただけの可能性も否めませんが、もしかしたら本当にKACでは、実話やエッセイが人気が出やすいのかもしれません。
って、こんなことを書いていますけど。もしかしたら今書いているこのエッセイは公開から一週間経っても星が一桁台、なんて事もあるかもしれません。
その時は遠慮なく、「全然違うじゃねーか!」と笑ってやってください。
そんなわけでこれらが、自分が思うKACで人気が出そうな作品の傾向です。
ちょっと気になったのが、他のコンテストでは無類の強さを誇っていた異世界ファンタジーが、KACでは大人し目ということです。
4000文字で異世界ファンタジーを書くのは難しかったのかもしれませんね。それでももちろん、面白い異世界ファンタジーもいくつかありました。
4000文字しか書けないからといって、やってやれないことはないのです。
そして人気が出そうだから書くのではなく、自分が書きたいものを書くことも大事だと思っています。
皆が皆同じような作品ばかり書いたのでは面白くないですし、自分だってエッセイやコメディばかり書こうとは思いません。
ゾッとするようなホラーや、キュンキュンする恋愛小説だって書きたいです。せっかくのお祭りなのですから、好きなものを書いた方がきっと楽しいのです。
もちろん狙うは受賞、星やPVを稼ぐんだというのも、全然ありです。
今回の分析が、そういう方たちの力になってくれたら嬉しいです。
しかしふり返ってみると、KACには本当に色んな作品が投稿されましたね。
10個のお題で連作短編を作っている方が結構いて、ちゃんと10回目で綺麗に完結できるのかと、ドキドキしながら毎回の新作投稿を楽しみにしていました。
他にも去年や一昨年のKAC作品の続きを書かれた方もいて、一年越しに読んだ続編に、ワクワクさせられたものです。
普段は長編を書いている方の短編を読むことができたり、あまり交流のなかった方の作品を読むきっかけになったりと、たくさんの作品をヨムヨムさせてもらいました。
残念ながら気になった作品の全てを読めているわけではありませんけど、まだまだ読んでいきたいものです。
また、書く方でもいい刺激になりました。
実は今回KACに参加するまでは、新しい話のアイディアがまるで浮かんでこなかったのですよ。
だけどいざ参加してお題を前にするとクオリティの差こそあれ、毎回ちゃんと話が作れるのだから不思議です。
もしかしたら今回浮かんだアイディアを元に、中編や長編作品も作れるかもしれません。素敵なアイディアをくださったKACには、本当に感謝しています。
……ただ、KACで一つ気になる事が。
二年前はともかく、去年からKACの賞品がロイヤルティプログラムのリワードになりましたけど、これだとロイヤルティプログラムに参加していない人は、KACにも参加できないってなりませんか?
もちろん書く分には自由ですから、リワードなんて関係ない、自分は書くぞという人もいるでしょう。
現に自分は去年、ロイヤルティプログラムには不参加だったにもかかわらず完走しましたから。
だけどいくら頑張っても賞品がもらえないとなると、モチベーションが下がってしまう人もいるはず。
実際にロイヤルティプログラムをやっていないから、今年のKACは参加しないでおくという声を、ちらほら聞きました。
これはマズいです。このままではKACは、ロイヤルティプログラムをやっている人専用のイベントになってしまいます。
不参加を表明した人達ももし参加していたら、きっと素敵な作品を投稿していた事でしょう。なのにそれらが読めないのは、残念でなりません。
あの人の作品読めるかなーって、密かに期待していたのに(涙)
というわけでカクヨムさん。どうか来年はロイヤルティプログラムをやっていない人でも参加できる内容にしてもらえませんか。
そうすればきっと、素敵な作品が増えるはずです。
最後に。
全てのお題を書かれた方も、完走はできなかったけどいくつかは書いたと言う方も、お疲れ様です。
これから新作を書くと言う方も、いるかもしれません。まだ選考期間が残っているので、たくさん読む方もいるでしょう。
せっかくのお祭りなので、ゴールまで目一杯楽しみましょう。
そして来年、2022年のKACはさらに盛り上がってくれますように。
三年連続で参加したKACをふり返って思う、人気の出る作品の傾向とこれから。 無月弟(無月蒼) @mutukitukuyomi
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