第39話
結果には原因がある。
発端がある。
運命使命という名の呪いに支配された日御子としての我が過去世。
原因究明、そして解決すべく遡(サカノボ)り辿ると、こんな所まで来てしまった。
あまりにも壮大すぎて、何だか…恨む気も、憎む気も失せた。
でも解決を諦めるのとは違う。
スサノオも諦めない人。
私も諦めない。
九州の王達と和解出来た時のように、根気よく愛を送ろう。
コンプレックスと暴れる欲と虚脱で固められたソロモンを解かすべく。
少しでもほころんでくれたら、風穴が開いてくれたら、交流で本能を取り戻して欲しい。
愛で癒す。
宗教論を説くつもりはない。
あれも生かさず殺さずを目的としたものだから。
日御子としての備忘録は終わりだ。
諸説ある中、正解が出る気配もなく…記しておきたい、残しておきたいという夢を叶えた。
夢は自分自身で叶えてあげるものだ。
ではいつ、飾り巫女は覚醒したのか。
火と鏡と一体となった時か。
交流で愛を知った時か。
策略に気付き、怒った時か。
降霊出来た時か。
全てを知った時か。
…そのいずれもであろう。
他にも度々。
覚醒とは単純に目覚めることだ。
目覚め、その度に指針を見定め進む。
宇宙の営みも含め、命は進むように出来ている。
爪先は前に向いているのだ。
自らの足を引っ張ること無く、自らをサポートしてあげる方向でいきたい。
過去をピークとせず、可能性を拡げてあげよう。
そして、区々たる指針においても忘れず立ち返る。
「吾は皆を、いつまでも愛す」と。
ー 完 ー
飾巫女覚醒-カザリミコカクセイ- 卯ノ花 @adredire
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます