新しい試み

浮生若夢

新しい試み

遠い遠いどこかの星

観察官

「太陽系で惑星が誕生ました。」

監察本部受付

「ご苦労様です。こちらで詳細を確認致し、対応致します。」


永遠の経過後 監察本部にて

監視官

「大気から生命の素が偶発致しました。黄金のリンゴを発散しますか?」

本部長

「頃合いだな。」

監視官

「行ってまいります。リンゴを発散後は、時を要しますので、しばらくは他の星の監察を行います。」

本部長

「承諾します。」


さらに永遠の経過後

監察官

「生命が誕生しました。」

本部長

「いよいよだな。」

監察官

「監察を始めに参ります。今後は逐次本部に連絡を入れます。」

本部長

「お願いします。」


古生代と呼ばれる時代

監察官

「植物だけで無く、動物の生命も爆発的に増加しました。おそらくリンゴに付着していた異物から偶発したかと考えられます。」

本部長

「今後の想定される結果は?」

監察官

「超大型の鳥類が誕生するかと。」

本部長

「仕方ないか。監察を続けてくれ。」


観察官

「大型鳥類が上から下へと暴れ回っております。もうこれ以上の見込みはないかと。」

本部長

「やるか?」

観察官

「仕方ありません。地固めを投入します。」


新生代直前

観察官

「新しく小型植物が発散いたしました。」

本部長

「次の段階へ進んでください。」

観察官

「千姿万態への転回を投入します。」


10万年前

観察官

「とうとう人類が誕生しました。」

本部長

「多様性の発出はありそうか?」

観察官

「間違いありません。しかし、ここからは我々が予断するのは難しいかと思います。」

「わずかな介入ならあり得ますか?」

本部長

「予定外の行動は、都度、判断を仰いでください。」

観察官

「わかりました。」

「判断が必要な場合のみ連絡致します。」

本部長

「以後は記録類の作成を必ずお願いします。」


約5万年前からの記録

観察官の記録の抜粋

「多様性が発現し、集団を形成、集団で移動しながら狩りを行い、食料を得る。」

「大きな介入。次の転回のため、農工の技術を投下。」

「私の介入を少し感じ取るようである。自然への崇拝を始める。」

「食物が確保できたため、仕事が分化。観えないものと対話を試みている模様。」

「多様性が発現しているため、見た目の差異で自分と他者を分け隔ている。」

「飢餓への耐性が備わっていないため、集団間での争いが頻発する。」

「小さな集団を武力でまとめあげ、大きな集団を形成。」

「飢餓が起こる度にこのような争いは絶えない。」

「人を律する決め事を作り、争いを無くす工夫を行うが、争いは一切耐えない。」

「人が持つ優しさに訴えかけるものがいるが効果は無く欲望が必ず勝る。」

「奴隷を作り出し、摂取することを辞めない。」

「海を制することで人々の版図は大幅に拡大」

「世界は一つになり始める。だだし土地の奪いあいは辞めない。」


次のステージに移るため、文明の種を転回する。本部から認可有り。

「文明は発達するが、欲望を満たす事に利用する。」

「機械の利用で労働力を減らすことが出来、奴隷制は無くなるが、機械を戦争に利用し始める。」

「空を制することで世界は狭くなるが、世界中での戦争が可能となり、格段に戦争範囲が広くなる。」

「大量殺戮兵器も発明。文明を間違った方向に使用する。」


観察官

「報告は以上になりますが、次のステージにいきますか?」

本部長

「もう、これ以上検証は必要としないか。」

「地球になるべくダメージを与えないよう、飛散を行ってください。」

観察官

「わかりました。」





















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