第3話

 梅と陽太が出会ったのは、3年前。同僚という関係だった。陽太が梅より7個上。7個上だが、入社したのは、梅の方が一年早い。

 梅の方が、この仕事歴は一年長いので、最初は色々教えていたらしいが、陽太の仕事の吸収スピードはとても早く、陽太の方が早くに出世したという。

 そして、一緒に仕事をしていく中で、仲が深まり、付き合って1年で結婚したらしい。


 職場の人たちに聞いても、皆が口を揃えて「お似合いの夫婦」と言っていた。

 どちらも優しくて怒ったところは滅多に見たことがないという。

 陽太は、職場の人たちに優しくてみんなから愛されていたという。


 近所の人たちに聞いても「理想の夫婦」と言っていた。

 陽太は、若いながらも力はあり、主任だった。2人で歩く姿がよく目撃され、気持ちの良い挨拶をする夫婦だったという。

 笑顔が素敵な2人。

 だから、今回の事件が起こって、みんながびっくりしていた。

「まさかこんなことになるとは」


 殺人というのは、ほんの一瞬の魔で、行為に及んでしまうと聞いたことがある。

 この2人にあの夜何があったのか。


 陽太の出世をよく思わなかったことが原因なのか。

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