第3話    変装

「ここか…」


路地裏の先にある雑居ビル。


こんな薄暗いところの占い屋なのに、客――ほとんど女性――が集まっている。


列の最後尾に並んで考える。



この、姉さんの占い屋が徐々に流行り始めたのは、去年の5月ごろから。


たった1年と4カ月くらいで、ここまで有名になるのだろうか?


絶対に占いを外さなかったら、口コミなどで有名になるのだろう。


でも姉さんは、占いなんてできないといった。


占いが当たるはずないのに、あったている。


こんな不自然なことがあっていいのか?


ピロンッ


考え込んでいると、腕時計から音が鳴った。


ロイドからだ。情報集めが終わったのだろう。


この腕時計は、小型でタブレットなどの機能ができる。


「えと…」


文章が送られてきたので、読んでみる。


『朱音さん、占いを受けた人は全て、占いが当たっていると答えました。

 まるで、不自然なくらいに、と。

 なので、未来を予知できる能力があるのではないかと考えますね。

 機械がこんな非現実的なことを言っていいのかとも思えますが。』


「未来予知…」


確かにそう考えると、つじつまが合う気がする。


それを確かめるには、この方法しかない。

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壊れてしまう、その日まで。 昼の猫 @hirunoneko92

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