黄昏た世界 ～Twilight World～

第2話

　チュートリアルも終わり、ガチャも引き終わった。ひと段落ついて落ち着いたので改めて周りを見てみると、おそらくチュートリアル専用のエリアなのだろうけど、とてもいい場所だと思う。

　前も後ろも見渡す限りの青々とした草の生えた草原で、たまに背の低い観光農園とかにあるような高さの木が生えているし、背の高めな草も生えている。

　空を見上げれば大きな入道雲のような真っ白な雲や小さな雲が風に乗って流れている。

　太陽は自分の真上にいて、心地よい風が吹いている。お昼寝をここでしたらさぞ心地よいだろう。

　「おっ。なんか木の実がなっている。」

　ということでただいま絶賛探索中。一番近くにあった背の低い木に行ってみたらいかにも柑橘類！って感じの木の実がなっていた。それじゃとってしてみよう。

　『【円蜜柑の実】×20　を入手しました。』

　うん、リアルなのかな？実際のミカンは百単位で実をつけるらしいしね、少し少ないくらいなのかな。質感もよく冬場にこたつに入って食べているミカンそのまま。すこし大振りで丸っこいけどそれ以外は普通のミカンにしか見えない。おいしそう。

　ではいざ実食！！‥‥うん、ものすごく甘酸っぱくておいしいです。大振りなミカンだから大味なのかめちゃくちゃ薄味なのかと思っていたけど、甘すぎずすっぱすぎずいい感じ。他のところにも生ってるからとっていこうっと。

　『【円蜜柑の実】×20　を入手しました。』　　『【円蜜柑の実】×25　を入手しました。』

　『【円蜜柑の実】×15　を入手しました。』　　『【円蜜柑の実】×20　を入手しました。』

　『【円蜜柑の実】×25　を入手しました。』　　‥‥‥‥

　あれま、やばい、ミカンとりすぎたかもしれない。こういったゲームにお約束のインベントリがあって重さを感じないからついとりすぎてしまった……。このくらいにしておこう。というかわざわざ【～の実】って表記しているから枝とかも取れるのかな。いや、とれるだろう。自分の当たることもないわけではない勘がそうだといっている。……それじゃ失礼して。

　『【円蜜柑の枝】　を入手しました。』　『【円蜜柑の葉】×10　を入手しました。』

　びんご。やっぱり手に入るよね。 それじゃ枝をあと数本ほかの木から失礼して。

　『【円蜜柑の枝】　を入手しました。』　『【円蜜柑の枝】　を入手しました。』……

　ふぅ、満足。これでここから出てからもいつか食べられるようになるだろう。おそらく、きっと、多分(願望)。

　おや？なんか少し大きめの生き物らしきものがなかなかな速さでこっちに向かってきている。あれは……赤い、狼？