休憩所にて
藍「つ・・・・疲れたっ !大丈夫か!?」
ユーリ「なんとかね・・・。それより袋の口は開きそう?」
藍「・・・・・逃げるのに必死で・・・空気開けてない・・・!」
ユーリ「さっさと切ろう。見切り使うからどいて。」
「。。。」(頭に角のある少年?がぐったりしている。)
藍「(真っ青)まさか、」
ユーリ「息は・・・ある。気絶してるだけだね。よかった。街まではまだまだだけど近くに休憩所があるみたいだから、そこで休もう。」
藍「よ、よかった。俺が殺しちゃったらどうしようかと思った。それにしても魔族とやらなのかこいつ。生かしておK?」
藍「(図鑑を開く)あー、大丈夫っぽい、な。青い髪長いな、ユニコーンの縁類?ユニコーン!?マジ???」
ユーリ「彼らの目的はこのツノか。希少価値が高いみたいだね。目立つし。」
藍「お前の方が適応能力が高そうな気がするけどさ、この違和感はどうでもいいって思ってるな。」
ユーリ「いや、興味はあるけど現物を目にすると実験したくなるんだ。」
藍「あそっちか!よく見りゃ血眼になってるわこれやばいやつだわ。やめろやめろ、まだ少年っぽいし!いや、大人でもよくないけどって性別ないのか。」
―――休憩所にて
魔族「・・・・ここは」
ユーリ「こんにち」
藍「待てその手はなんだユーリ。ねえ少、年?危ないことはしないからちょっとだけ話を聞いてくれるかな、いや聞いてくれ。お願いだ。」
魔族「oth voa05t-^n@n?」
藍「ほらお前が怖くて動揺しちまってるじゃねぇか!いいからその端末をツノに向けるな。」
魔族「・・・俺は少年じゃないです。・・・君達は命を助けてくださったのですね。オーラで分かります。ありがとうございました。」
藍「へ・・・へえー。いいんだけどさ。あの、なんでこんな目に遭ったのか聞いてもいいかな?俺は藍。男。こっちはAI、のユーリ。」
ユーリ「アンドロイドだよ。」
魔族「アゼル・ラシャーダ。といいます。アゼルです。実は、(グゥゥーーー)」
藍・ユーリ「「あ、」」
アゼル「(赤面)、お、お腹がすきました。」
:::
アゼル「助かりました。礼のしようがありません(口から肉の破片を零して拭う)。実は、数日前、とある泉からこちらへ向かう途中にナニモノかによる襲撃を受けました。我々は放浪族でして、しかも1人で放浪するのが常習でして星をたよりに移動しているのです。そのナニモノかは先ほどの輩ではありません。おそらく盗賊団の類でしょう。檻には幾人かが捕らえられており、俺は自分の価値を交渉材料として彼らを逃しました。つまり、人質解放のため、こちらの犠牲は避けられないことでした。ですが騙されました。彼らは俺を捕らえた跡、呪術でバリアを張って人質を再び牢に閉じ込めたのです。
その後盗賊は奇襲をかけられたようです。檻の向こうから騒動が来て、抵抗するヒマもなくこの次第です。」
藍「た、大変だったんだな。」
アゼル「はい。やっと自由になれたのはいいですが、今度は人質の方が気がかりになってきました。彼らは人間です。」
ユーリ「その人間が冒険者かそうでなくても、報告しておく必要があるね。その盗賊も人間?」
アゼル「残念ながら、一部はそうです。そして憎むべきことに、我々と同じ”魔物”もいます。」
藍「もし「石」を奪われたとすれば、永遠に冒険中とみなされる。帰還も、事態を報告する術もない。これはマズくないか。」
ユーリ「今レポートを書いてる。返事はしばらく時間がかかると思うけど早く報告するにこしたことはないね。ところで、魔物とやらはどんな種族がいるの?」
アゼル「それが、一括りに魔物と言っても様々あり・・・実は同じ種族でも魔に魅入られたものを悪性、そうでないものを善性と我々は呼んでいるのですが、その関係性は流動的なのです。そもそも魔物というより、種族のほうが近いです。」
藍「人間みたいなものか。」
アゼル「生き物であることに変わりはありませんが、知能に依るほど残酷になりやすい。俺は彼らの行方が無事かを確かめたいのですが、相手の術が強力で、呪力の結界によって困難になっています。まやかしによって道が辿れません。」
ユーリ「・・・僕たちはあの山を越えた先にある街を目指してるんだ。そこで何か情報を入手するまでは一緒に行動したほうがいい。僕はそう思うんだけどどうかな?」
アゼル「・・・ありがとうございます。・・・。できれば、その、そのようなタンマツ?を向けるのは・・・」
藍「やめろってさ。諦め悪いなお前。」
ユーリ「アンドロイドのAIに対するアンチテーゼみたいなもんだよ?」
異世界への扉が開いてしまったので、+人外で冒険する。 朝凪 渉 @yoiyami-ayumu
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