洞窟から街へ
藍「・・・・・・・・・・。」
ユーリ「よし着いた!ここが洞窟だ!」
藍「・・・・・・・・・・・。」
ユーリ「途中でイベントすっ飛ばしてきたけどいいよね?「腹が減っては戦ができぬ」、ってやつだ。」
藍「・・・・・・・・・・・・・。」
ユーリ「・・・藍?どうしたの?顔が真っ青だよ。」
藍「ああ、お前がロボットだってことを忘れてたよ。急にスポーツカー並みに走行するとはな・・・はじめから言ってくれ(プルプル)。ただでさえ空腹なのにライフに関わる。」
ユーリ「ああ!ごめんごめん!でもそうでもしないとトリさんが急降下の寸前だったからさ、気づいてなかったでしょ?君、認知能力も低下してたし。」
藍「まさかの命の恩人だったとは。そしてデータまで取られていたとは。」
ユーリ「必要事項だよ。」
藍「ぐう、とにかく休憩させてくれ。魔物除けとかセットするから、ほらほら。」
ユーリ「なんか扱いが雑になってる?」
食事。
藍「う、美味い!助かった!もうほんと何もなかったらどうしようかと思った!」
ユーリ「喉につまらせないようにね?」
藍「ちなみにこの肉ってどこの・・・ん?この形どっかでみたことあるような」
ユーリ「これはこの世界へ来てから初めてテントを張った朝の日にテントの上で鳴いていたトリと同じ種だよ。」
藍「・・・・・。」
ユーリ「お、がっつきだした。」
藍「・・・べ、別に自責なんてないし、ちょっとでも「縁起のよさそうなトリ」だなと思った俺が悪いだけだし。」
ユーリ「目が笑ってないよ?」
藍「美味いし!!」
洞窟の中に入る。
藍「・・・(見上げて)うわなんだこの洞窟、緑っていうか、水晶でできてるのか?」
ユーリ「エメラルドの洞窟。エメラルドパレードっていわれてるね。」
藍「パレード?」
ユーリ「日光が当たると色が変わるらしいよ。」
藍「翡翠なのに?洞窟で?」
ユーリ「具体的に言うと、これは正しくはエメラルドじゃなくて、エメラルドに似たなにか、らしい。まだ名前がついてないんだ。というより、つけた村人たちの村の言葉が理解不能だから翻訳に苦労しているといった方が正解かな。
洞窟の中に空洞があるらしい、そこから光が入るんだってさ。」
藍「へえ。てかああくっそスマホ壊れてるんだ!ユーリ、写真撮れる?SNSにアップしたいんだが。」
ユーリ「いいよ。ちなみに採掘は禁止。向こうの村の掟で、採掘したものはfired。」
藍「?クビになるってこと?」
ユーリ「物理的なね?」
藍「・・・・・ハッ!ひょっとして、村ってこの近く、なのか?」
ユーリ「街の北側にあるみたいだね。」
藍「あっまだまだか。よかった。」
ユーリ「そう警戒しなくてもいづれ来る現実だし。」
藍「慰めるかけなすかどっちかにしてくれ。」
ユーリ「ここのキノコは採集できるよ。」
藍「!じゃ早速取りますか!ってこれ手袋つけないと毒性あるやつじゃん。名前は・・・やっぱ分かんないか~!」
空洞
藍「おお!ほんとだ!すげー。」
ユーリ「見る角度によって色が変わるね。虹色のバリエーションがあるのが不思議だ。キューブで写真を撮っておこう。」
洞窟の外
ユーリ「この道をまっすぐ行くと街があるそうだ。」
藍「よし、平原ならすぐ見えそうなのに見えないってことはだいぶ歩くな!あの辺の藪でなにか獲物を探すか?」
ユーリ「・・・そうだな。」
外れの森
藍「ウサギと、蛇と、・・・あの森とあまり変わんないな。」
ユーリ「だいたい地形が同じだからね。とはいえ、こっちの方が気候的には温暖だから果実もあるね。」
藍「ラッキーじゃん!ここにきて肉しか食ってないからたまにはな。ちなみにどんな・・・げぇ!」
ユーリ「まぁ恰好はあれだけど、中身がおいしいと評判らしいよ?」
藍「・・・か、カメ。ええい!カメムシだ!いやいやカメムシの匂いだ!駄目だ、珍味とかいうやつだわそれ。」
ユーリ「駄目だよ見かけだけで決めちゃ。」
藍「正論だけど目が笑ってねぇぞ。」
森の外れにて
ガサっ
藍「おい。」※小声
ユーリ「ああ、囲まれてるね。人数は5人。武器は弓、毒の匂いがする。どうも厄介だ。」※小声
藍「毒はあのキノコか??どうする?ここは逃走してやり過ごすか?でもまさか、村人、とかいう可能性は?」
ユーリ「分からない。でも血の匂いがする・・・逃走はやめておこう。誰か捕まってるみたいだ。」
藍「なんで分かるんだよ!?」
ユーリ「さっきトラップがあったんだ。あれと、人間の血のにおい・・・彼らのよりも辿りにくいのはあの袋の音から推測できる。おそらく彼らは非友好的で、冒険者に対しても容赦しない。冒険者とこっちの世界の住人と、身なりが明らかに違うのに敵意を向けてしかも、攻撃体制に入っている。あれはおそらく、そういう人種だ。」
ユーリ「僕が彼らを引き付ける、その間に袋を確保したら笛で合図して。速攻逃げよう!」
藍「また逃走か・・・!」
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