ダッシュ (※セリフのみに変更します、すみません。)

森の中を歩いている。洞窟までは直進、約3キロ。天候は曇り、時々雪。魔物:スライム、スノーラビット他。


藍「・・・・・。」

ユーリ「どうしたの?やっぱ、僕何かおかしかった?」

藍「ほんとに覚えてねぇの?てか、死神もだけどお前の方も相当、なんていうか・・・やばかったんだが。」

ユーリ「・・・覚えてない、死神の顔すらね(笑)近づいてきたところからもう一度データを確認しようと思ったんだけど真っ黒に塗りつぶされていたよ(写真をみせる)。」

藍「うわぁ、例のUFO事件みたいだな。」

ユーリ「うん。おそらく”不都合”だったんだろうと思う。そして死神ともなると倫理は通用しないんだろう。なにしろ死はあらゆる事象から発生するし、それを裁くのなら一種の強制力も伴うだろうから。」

ユーリ「気になるのが死神の出どころだ。通常じゃ墓地とか宗教関係に縁がある場所での目撃が多いらしい。でもここは森のど真ん中。トリガーになったのが僕、AI以外には見当たりそうにない。彼は自分から出る以外は正体を晒すのを嫌うから、あの狼はきっとなにか予知していたんだろう。だったら厄介な話だ。」

藍「・・・お前はパーティメンバーでもあるし、色々世話になったし・・・外したくはないな。でももし頻繁に現れるようになったらちょっといや、御免被りたい。ああ、追放はしないよ?」

ユーリ「えっざまぁ系のそれ?ちょっと自信ないなぁ~。だって僕、データ収集っていっても諸採集のていだし(笑)。ほのぼのライフでも悪くないけどVS死神とかいうすでに避けられない事態になってるだろう?神の名のもとに、僕一人じゃ良くてウォーキングデッド、悪くてデッドエンドだよ。」

藍「・・・。」

ユーリ「はははっ、ジョークジョーク。僕にももちろん目的がある。君のネコチャンを探しに行くこと。あとは今できた。死神を探しに行くことだ。」

藍「探しに?本気か!?」

ユーリ「うん。これは「新しい出来事」だからだ。あいつにはあらゆる結界が効かない。しかも神出鬼没。しかも今回のことは稀どころかおそらく世界初。メモリーに新たな追加時効が記入されていた。引き続き注意するように、だそうだ。で、昨日例の狼の牙で作ったアクセサリーがあるんだけど、どうもこれは危険を察知すると冷たくなる機能付きらしい。」

藍「俺やめとく(震える)、ただでさえ極寒なのに。」

ユーリ「僕が試しにつけておく。モンスター以外に反応するのなら、きっとあいつだって例外じゃないだろうからさ。色々回るついでに、彼のデータも集める。」

藍「話が通じない相手だぞ?」

ユーリ「「会って知るだけ」さ。というより、彼からこちらに来たということは、おそらく・・・」

藍「「また来る」、か。」



~~~



藍「ゼェ、ゼェ・・・だ、駄目だ。たった3匹のシカ(魔物)やっつけんのにこれかよ。レベルなんて基準もないしなぁ~!おかしい、森の出口に近づくほどなんか強くなってる!?」

ユーリ「落ち着いてやれば技術もスピードも上達するよ。」

藍「くっ、呑気に笑いながら狩猟(vs大型のサイの魔物×3※残り1頭)してるやつに言われたかね~!なんだよその剣裁き、伊達じゃねぇ!」

ユーリ「これでも都会発なもんでね。」

藍「くっそう悔しい、なんか悔しい!よこせデータ!データをよこせ!」

ユーリ「闘いの前にそんなものは机上の空論!実践あるのみだ!(トドメ)」


~~~


森の出口にて。


藍「うお~広い!景色が変わるもんだな!」

ユーリ「荒涼的な・・・遠くに峰が、東西に横たわっている。うん、地図じゃあの山のうち右から3番目に街へとでる洞窟があるらしい。」

藍「だがなユーリ。」

ユーリ「ん?」

藍「・・・・・・・・腹、へった。」

ユーリ「さばきたてのトリがあるんだけど・・・(上を見る)」

藍「なんだよ、なにかあるならその辺の槙でも拾ってくるからさ~。」

ユーリ「トリと、弱ってる君を狙う鳥が1匹、2匹・・・・。」

藍「ヒェ!」

ユーリ「おぶってあげるから一旦逃げよう(笑)!(ダッシュ時速100キロ)」

藍「オロロロロ・・・・・・!!!」

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