第6話 卒業式とリスタート

「1年間、やっぱりどうしてもあの大学に行きたいから、浪人させてください。」


初めは彼と同じ大学という理由だったが、勉強していくうちにどうしてもそこで学びたいと思えるようになっていた。だからこそ、許されるのならもう一度挑戦したかったのだ。


「1年間だけよ。それでもダメなら私立なり、専門学校に行ってもらうことになるからね。」


母親には、本当に感謝している。


「と、言うわけで私は浪人することにしたよ。」


日が変わって登校日。奈々にそう報告した。奈々は希望していた学校に受かったらしい。とてもよろこばしいことだ。


「で、全然話変わるけどあんた告白するとか言ってたのはどうするの?」


「ああ…」


相沢と同じ大学に合格していたら告白しようと思っていた。自分が落ちた手前言うのもなんだが、彼も落ちたらしい。ただ、併願で受けていた私立大学には合格したらしいのでそこに進学すると言っていた。


「考えたんだけどね。付き合いたいって気持ちは初めはあったんだけど、色々考えているうちに、幼馴染のあいつが好きなだけで、告白してどうこうなりたいって言う気持ちがあんまりないことに気づいた。」


「なんだそりゃ。」


「まあ、そう言うと思ったよ。でもいいの。今の距離感がきっとちょうどいいんだわ。」


と、強気で言っては見たものの、好きなものは好きなのだ。今までずっと一緒にいた分離れるのは少し寂しかった。


そんなこんなで、みんなの進路が決まり卒業式を迎えた。


私は地元でもう1年間、頑張って挑戦する。

卒業して以来、相沢とは連絡を取っていない。初めも言ったが、幼馴染と言っても関係はドライなのだ。話せば楽しくてずっと話していられるけどずっとくっついているわけではない。


お互いがお互いの居場所を生きる。少女漫画ではないこの世界では幼馴染なんてこんなもんよ。

でも、これからもう一度受ける大学はからもいる地域にあるのだからいずれどこかで会うかもしれない。

その時はまた、変な話で盛り上がって仲のいい幼馴染をしたいな、なんて思ってみたりした。


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幼馴染のブルー 李都 @0401rito

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