第5話 受験結果

今日はとうとう第一希望の国立大学の結果が出る日。私は地方に住んでいたから自分の結果はインターネットで見ることに。


結果が出るのは午後3時。朝から冷や汗が止まらない。高校受験とは全く違う雰囲気に完全に呑まれていた。


お昼ご飯を食べ、リビングで家族共用のパソコンを開く。画面を見るのは私と母の2人。

午後3時になり、いよいよ結果がホームページになる時間となった。


私が受験をした学部の結果を見る。

番号は……なかった。

私は落ちてしまった。涙は出なかった。体温がみるみる下がっていくのを感じた。


母親は何も言わなかった。気を遣ってくれたんだろう。そっとお茶とお菓子を出してくれた。

静かに2人でお茶を啜る。落ち着いてきた頃、私から母親にあることを願い出た。


「1年間、浪人させてください。」

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