第4話 大学受験と進路

受験が本格化する季節となった。

あれから私の成績は僅かだが、右肩上がり、目標としている学校に入るために必要な成績を取るまでになってきた。


志望校が同じと言うこともあり、例の幼馴染相沢ともよく話す。


「幼稚園からずっと同じとこ通ってるからこのまま大学も同じだと面白いのにね。」


「たしかに。でも希望してる学部は違うからなー。大学入っても話す機会はなさそうだな。」


「ね。ちょっと寂しくなった?」


「いや、離れられてせいせいしますね。」


「嫌味だなー。ちょっとくらい寂しがってよ。キャンパスで見つけたら大声で呼んでやるんだから!」


「やめろよ恥ずかしいな。」


会話のテンポが心地いい。内容はまあ置いておこう。いつもこんな感じだから。


教室で自習していると、奈々から声をかけられる。


「そろそろ受験ですが、本当に終わるまで何もしないの?もしかしたらバラバラの進路になるかもしれないんだよ?」


「またその話ー?いいんだよ。案外今の関係の方がしっくりきてるのかもしれないしね。バラバラだった時浮気の心配する必要も無くなるじゃん!」


笑ってそう言ってみせたが、実は単純に恋愛しているどころではなく、そもそも同じ大学に入れるかの心配の方が遥かに上回っていたのだ。


そんな心配をよそに、受験の日は訪れ、あっという間にさっていった。残すは結果を待つだけになってしまった。

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