憧れのまま終わってしまった青春

あま

憧れ

中学校、高校、大学など新しい環境へと進む前に理想的な青春を夢想したものだった。新しい出会いがあり、気の合う友達ができて楽しい日々を過ごし、女性と相思相愛になり恋愛する。そんなテンプレートだが理想的な青春像を抱え、新たな環境へと進んだ。現実はそのテンプレートである青春さえも実現できなかった。学生のノリと言われるものを理解できなかったのだ。学生というのは身内のノリを人を判別する物差しのように使い、それに合わせられない人間はつまらないやつというレッテルを貼り除外する。何が面白いのかわからないギャグや、からかいに過剰に反応し同調しなければならない。

私にはそれができなくなっていた。いつしか人との関わりによって労力が生じることを避けるようになり、自分だけの世界に閉じこもるようになった。友人や恋人を作る過程で金と労力と時間がどのくらいかかるかと考えるだけで面倒なのだった。それならば最初から避ければいいという考えに至った。

青春は憧れのままで十分だと私は思う。

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憧れのまま終わってしまった青春 あま @ama02200

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