第6話階段落ちで見る夢が悪夢だった
ううん?アレ私瑞姫になったんじゃなかったけ?夢落ち?
ここは私の病室だわ。いやちょっと待ってなんか違う。ん~~~?
あ、そうか私が私を見てるからおかしいんだ。と言う事はこれは夢?一体何でこんな夢を見てるんだろう?
そうだ!!私が何か知ってるキャラ設定と違う気がすると考え事をしていてうっかりコントの様な見事な階段落ちをしたんだわ。そして気付いたら病院に居て心配した両親とシスコンなお兄様によって検査をして問題はなさそうだけれど様子見で1日入院が決まったんだっけ。
階段落ちと言っても数段だけだったんだけど滑った拍子にびっくりして気絶しただけですが。
病院に入院することになって心細くなったんだ。前世の様にずっと病院に居る訳じゃないけどそれでも心細さはどうしようもなかった。
前世を思い出して久しぶりの病室の空気にもし家に帰れなかったらなんて考えて沈んだ気持ちで眠ったからこんな夢を見てるのかもしれないわ。と変に納得した。
でも前世の私何をしてるんだろう?
どうやら
だって私の目の前には成長したゲームの時間軸のようだって目の前には成長した慧人とお兄様が・・・眼福眼福。じゃないだろ私!!え?これってお兄様ルートですか?夢の中だけど私死んじゃう系ですか?ナニソレヤダー。いや待て私目の前に私じゃない瑞姫が居るわ。そっと手を見れば透けてる。ナニコレ臨死体験?
「瑞姫今日の調子はどう?これ食べたいって言ってたやつ」
そっと俺は瑞姫に買ってきた動物を模したムース。食欲がなくても滑らかなくちどけで食べやすいだろうと買ってきたのだ。
ってちょっと待てぇ~~~何でウィンドウ出てんの?!夢だから?
▸ 響輝と話す
瑞姫と話をする
ムースを食べる
ハッ選択肢が出たってちょっと待ってそれ違う逸れバッドエンド直行しちゃうヤツ!!ヤだよ私バッドのお兄様見るの怖いもん。早く目を覚ませ私!!
願い虚しく目覚めずに瑞姫が亡くなりました。ヤだよこっから真っ黒なヤンデル通り越した狂ったお兄様が降臨してしまうわ。それでも目が覚めない私。動けないんだよ!!他の所に行ってもイベントになるとその場所に戻されるんだよ何この罰ゲームみたいなの。
▸ 響を説得する
瑞姫との思い出を語る
「響さん。もういいでしょ?瑞姫だってきっと今の響さんを見たら間違ってるって言うに決まってるよ!!やり直そうよ。瑞姫だってきっとそれを望んでるよ」
はい!その選択肢でのセリフアウトー!!瑞姫からの手紙が無い時点でアウトだよ慧人。あぁぁぁああああ
そして今私の目の前には病んじゃったスイッチの入ったヤバいオーラ満載のお兄様が何か呟いてる。ヤだヤダ聞きたくない!!
「瑞姫は水色が好きだったよね?慧人にも似合うね・・・あぁそこに居るんだね瑞姫」
響が俺にに手を伸ばしてくるその手には・・・
いやぁぁその顔ヤバイやん!!目が逝ってるよ。何で正面から見なきゃならないのよ!!叫び虚しく場面が変わった。
俺は響に捕まったらしい気付いたらどこかの部屋だった。
起き上がるとシャラリと音がした。音のした方を見れば俺の足に細い鎖が繋がっていた。
ここは何処なんだ。どうして俺の足には鎖が付いてるんだ?
混乱した俺はもう一度自分を見ると服装が変わっていた。
いつものジーンズにTシャツだったはずなのに、前に響が瑞姫に贈った淡い水色のワンピース、ストッキング。そして瑞姫と同じ色の髪、鬘だ。
何がどうなってるんだ?
どうなってるじゃないわ!!お兄様のバッドエンドだよ!!
それを間近に見せられてる私の方が精神削られるわ!!狂気的な目とか空気感でもう私のライフは0だよ!!
騒いでも私の声は聞こえてないので話が進んでるんだけど私もうお家帰りたい。早く目を覚まそうよ私。
とりあえず落ち着いて部屋の探索をする。
近くのドアは洗面所だった。トイレとバスルームもある。窓は無い。点いている明かりは淡いオレンジ色。天井付近には小さな通気口があるけれどそこから出るのは無理だ。
後あるのはベッドと小さい冷蔵庫だ。中には飲み物だけが入っている。
響はおれをどうする気なんだろう?
瑞姫の代わりだよ!!慧人が押しちゃダメなスイッチ押しちゃったんだよ!!瑞姫のお見舞いで選択肢間違ったんだよ!!瑞姫からの手紙があればハッピーエンドに行けたんだよ。
瑞姫の思い出を語ってたらバッドエンドは行かなかったのに。ノーマルならまだ救いもあったよ。何でバッドエンドなのよ!!これ以上お兄様の狂ってる状態見たくないよ。
ガチャリとドアが開いた。トレイを持った響が入ってきた。
トレイに乗っていたのは瑞姫の好きだったムースだ。
「ごめんね慧人?でもやっぱり似合うね・・・本当に瑞姫みたいだ」
「何言ってるの響さん?」
「ここなら誰も瑞姫を傷つけたりしないから安心して?」
響の瞳に暗い暗い闇が見えた。囚われた俺はこれからどうなるんだろうか。
安心できないよお兄様ホントマジで戻ってきてシスコンでもいいから真面なお兄様に戻って!!と強く祈ったところで目の前にまぶしい光が広がった。
ハッとして周りを見ると病室で心配気なお兄様・小が私をのぞき込んでいた。夢?夢だったんだよね?
「瑞姫大丈夫?すごく魘されてたみたいだけど」
「お兄様?お兄様は瑞姫のお兄様?」
「瑞姫?どうしたの?僕は瑞姫のお兄様だよ?誰かに何か言われたの?(そうならその相手を締めないとね)」
「お兄様?あのねお兄様はそのままのお兄様でいてね?」
「え?瑞姫どうしたの?僕はずっと瑞姫のお兄様だよ安心して?」
「うん」
ホッとしてお兄様に抱き着いてしまった。お兄様はご満悦だった。今日はお兄様が居てくれてよかったと思う。一人だったらきっと怖かったし。お兄様はあの響とは違うと分かるから。
だってきっとまだあんなスイッチ持ってないだろし慧人にはお兄様ルートには入らないように操作しようと心に決めた。
夢落ちで本当に良かったと胸をなでおろした。
だってあのお兄様マジで怖かったんだよ!!
ただ未来への予知夢じゃない事を祈った【全力で!!】
諦めが肝心と言いますが・・・諦めきれない事もある 冥狼 @ghostheaven
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。諦めが肝心と言いますが・・・諦めきれない事もあるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます