第5話キャラブレはもはやデフォ?
小学生になって早くも3年生になった私に親友とはいかないけれどやっとお友達が出来ました!パチパチ。
隣の席の子で髪は濃い目の茶色で肩より少し眺めで三つ編みをしている。ちょっとたれ目のミルクティ色で私に笑って話しかけてくれる優しい子だ。
最近は彼女、
彼女も三つ編みでたれ目だった。瞳の色は良く覚えていないけどミルクティ色だった気がする。と言う事は彼女は将来的に私の親友になるのではないか!!何で公立の小学校ではなく私立の女子校に居るのかは分からないけどもしかしたら中学で友達になるはずだったのかしら?
でも優しい彼女なら親友になるのも私的には問題ない寧ろなって友達に今すぐ親友になろう!!と言えやしないけどね。そんなこと言えるなら私にはもっと友達がいっぱいいたはずだ。いや・・・私が頑張ってもきっとお兄様(小学生になったのでお兄様呼びに直した)が邪魔をしていたかもしれない。シスコンがカンストしてる気が最近するもん。
「瑞姫ちゃん?何かあったの?」
「え?あれ?もう授業終わったの?」
「終わってるよ?なんかボーっとしてたけど大丈夫?保健室行く?」
「だ、大丈夫だよ?ちょっと最近お兄様が良く抱き着いてきて瑞姫が足りないってわけわからない事を言いだしてるから何かプレゼントした方が良いのかしらって考えてたの」
「瑞姫ちゃんのお兄さんって本当に瑞姫ちゃんの事が大好きなんだね見ていて分かるもん。だから瑞姫ちゃんのプレゼントならきっと何でもすごく喜ぶと思うよ」
「そうかな?そうだったら嬉しいな」
世間話のようなことを話しながら笑い合う。なんか幸せだな。とほのぼのとしてる裏で私は思う。瑤子ちゃん正解!!シスコンなお兄様は安いチョコ一粒でも喜んだ過去があるよ。病院内での院内学級に出ていた時に先生に頑張ってるご褒美に皆で貰ったチロリンチョコ安くても美味しいって皆が言ってたので私はいつも心配してお迎えに来てくれる(今はただのシスコンだと思ってる)兄にあげようととって置いて渡したら物凄く喜んでくれた・・・しかも大事に取っておくからねと笑顔で言われて腐るから食べて!!と口に放り込んだ。兄は凄く悲しそうだったが包み紙は大切に仕舞われているのを私は知っている。内心捨ててほしいと思っているが無理そうなので諦めている。私があげた物は大切に仕舞わているガラスケースに入れられたそれらには日付も明記されていた。私は思った。
お兄様そんなキャラじゃなかったよね?!
おかしいな?確かにシスコン気味なところはあったと思うけどそこまで酷くなかったと思うんだが?私の認識が間違ってるの?
ゲームにも公式にも設定資料にもそんな記述は無かったと思うんだけど。私が忘れているだけ?
しかし、そんな話をしてしまったのでお兄様に何か買わなきゃならないだろうな。聞かれた時にプレゼントしてないなんて言えないもの。でもそうかお兄様の認識は妹大好きなのか。私は知らず遠い目をしてしまった。
今日はお兄様がお友達と用事があるそうで一緒の車では帰らない事になったので一人で迎えの車に乗り込んだ。
もう少しで家に着くという曲がり角の信号付近で困ってそうな少年、と言っても私と同じ年くらいだけれどもが目に入っておや?とよく見れば・・・アレってもしかして柊弥じゃない?!え?こんなところで何してんの?地図らしき紙を見て首をかしげてるってもしかしてもしかして迷子イベント?!え?でもでも待ってお兄様いないよ?ん?いや待とうよ自分。コレってチャンスじゃない?お兄様のイベント取っちゃうけど柊弥とお友達にはなれないだろうけどちょっとした知り合いにはなれるんじゃない?そうと決まれば!!
「酒井さんちょっと止まってくれる?あの子迷子じゃないかしら?」
そう言って運転手の酒井さんに止まってもらう。車から出ると酒井さんが叱られてしまうだろうから窓を開けて話しかける事にした。
「ねぇそこの君?迷ってるの?この辺は分かり辛い場所も多いもの」
ドキドキしながら話しかける遠いけど。私が話しかけるとハッと顔を上げた顔を見ればやっぱり柊弥だった。
サラサラな髪は緑にも見える黒髪。瞳は黒味の強い青。鼻筋が通って唇は薄い。子供でもイケメンや!!鼻血出そう。
「え?俺のこと?」
いかんいかんつい見とれてしまった上にヤバイ妄想出すとこだったわ。気を付けねば。
「えぇそう。それって地図じゃないの?私が分からなかったら酒井さんなら分かると思うから見せてくれる?」
問いかけつつも手を出せば本当に困ってたんだろうおずおずと紙を差し出してくる。チョンっと指が触れたのがちょっと恥ずかしかった。だってイケメンと触れ合うなんて今まで無かったし?!あ、お兄様は別ですよ?
その地図に慌てて目を落とす。うーわーい見づらい。見づらいよ慧人君これ書いたの絶対慧人君だろう。幼稚園を辞めてから貰った手紙の文字と一緒だよ。これ難解だよ。
「これ書いたのって慧人君?」
聞いた方が早いよ!!
「え?慧人の事知ってるの?」
「うん。ご近所だもの。良かったら乗ってく?その方が早いもの」
「でも・・・」
「ふふふ。遠慮しないで?もう帰るだけだし行く方向は一緒よ?だからどうぞ」
そう言って車のドアを開ける。開けたのは酒井さんだけども。
「お、お邪魔します」
「どうぞ。あぁ私は慧人君の斜め前の家に住んでるの。小鳥遊瑞姫っていうのよろしくね?私お友達が少ないからお友達になってくれると嬉しいわ」
そう言ってにっこり笑っておくこれ以上は無理。これ以上喋れって無理だわだって私前世からボッチが長くてこれ以上何話していいか分かんないもん。
「そうなんだ。俺は小園柊弥よろしく。でもよくこれで慧人の家って分かるね?」
「それは前にお手紙を貰った事がるんだけどその文字と一緒だったの」
「あーうん。慧人の字って独特だよね」
苦笑いで誤魔化してる。ハッキリ下手って言わないのは優しさ?そこは私も苦笑いで返すしかない。
角を曲がれば家が見えてくる。
「もうすぐ着くわよ。ほらあのお家」
指をさした場所の前には慧人がウロウロとしていた。イヤ何してんの慧人?!そんなに待ち遠しかったの?柊弥が家に訪ねてくるのがそんなに待ち遠しかったの?大事なことかもしれないので2度言ってみた。
「あ、慧人だ何してるんだろう?」
「小園君が来るの遅いから待ってるんじゃないかな?」
「え?でも約束の時間まではまだあるけど?」
「そうなの?じゃあ遊ぶのが楽しみで早く来ないかって待ってるんじゃないのかな?」
「そんなキャラでも無いと思うんだけど?」
「そうなのかな?私はあんまり話したことが無いからよく分からないけど」
「近所なのに?」
「うん。私のお兄様が慧人君とお話しするのを邪魔するの」
「へぇ~お兄さんいるんだ」
「うん。3歳上なの。
「萩埜宮って高校はサッカーが強いんだよね」
「そうなの?(ゲーム知識はあるけどリアルでは分からないからね)」
「うん。サッカー好きだから高校は強いところに行きたくて調べてるんだそれで今の所は萩埜宮に行きたいから勉強頑張らなきゃなって」
「そうね。お兄様が萩埜宮は高等部の外部受験は難しいって言ってたわ中等部の方がまだ簡単らしいわ」
「そうなの?じゃあ中学までに考えとく事にするよ。乗せてくれてありがとう」
「え?あ、どういたしまして」
サラっと言ってサラッと降りて行ったけど問題発言!!だって柊弥中学公立だったでしょ?何で私立受けちゃう?って言っちゃうのよ?あ、私が中学のが楽言ったからか・・・え?これで中学萩埜宮行っちゃったら私のせいになる?あれ?あれ?
でも柊弥友達に言われるならまだしも初めて会ったヤツの言う事を素直に聞いちゃう様な人物じゃなかったよね?もしかして迷子イベントお兄様じゃなくて私が起こしちゃったから?だからシナリオ変わっちゃうかもしれないの?やだ!!
どうにかしないと・・・て言ってもどうすればいいの?考えながら車を降りると慧人がこっちにやって来た。
「瑞姫ちゃん柊弥の事送ってくれてありがとう。ちょっと地図分かり辛いかなって思ったんだ」
「・・・あ、慧人君。大通りの信号の近くで迷ってたから声かけたの。困ってたみたいだし。紙を見たら慧人君の文字だったからお家に行こうとしてるのかって思って序だから乗せてきただけよ?」
「やっぱり分かり辛かったんだ。でも俺の文字分かってくれたんだ?」
「うん。前に貰ったお手紙の文字と一緒だったもの。それより小園君待ってるんじゃない?」
視線を向けたら柊弥が手を振ってる。私も小さく手を振り返した。それを見て大慌てで挨拶して走って柊弥の方へ行く慧人を見てニヨニヨしてしまった。
家に入ってふと思った。慧人と柊弥の行動がオカシイ。ゲーム開始前だから?でもお兄様の行動も群を抜いてオカシイ。
なんだろうキャラブレが起こってる気がする。これどうにかしないとゲーム開始時に良くないんじゃないかな?どうにかしてもうちょこっとお兄様を普通のお兄様に戻さないといけないような気がするわ。
どうにか妹離れをさせようと心に決めた。
数時間後、私の決心は砂の如く崩れ去った。
「瑞姫に嫌われた・・・もう僕は生きていけないよ!!」
そう叫んで壁に頭打ち付けるお兄様を見たら妹離れしてとは言えなくなった。
お兄様キャラがブレてるんじゃなくてキャラ崩壊してるかもしれない。
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