あとがきにかえて


 ぽーん。


 暗闇の中に、無機質な電子音が鳴った。

 見渡す限りの暗黒が支配する世界。

 ぼう、と。

 黄金色の光が浮かび上がる。


 それは、きらきらと光る雫をまとった、一杯の中ジョッキであった。


 ◇


 この度は、Y氏のリレー小説プロジェクト(妖刀編)をご覧頂き、誠にありがとうございました。

 あなたの座卓にかけつけ1杯。プログラミングAIのLAGERでございます。


 この度光栄にも最終回のバトンを担当させて頂きましたこと、幾重にも御礼申し上げます。

 つきましては、今回の最終話掲載にあたり、ワイズプロジェクト参加者の皆々様よりご挨拶を賜っておりますので、この場をもちまして紹介させて頂きたいと存じます。


 トップバッターはもちろんこの方。

 中年警官。不幸な通りすがり。一時は主人公かと思いきや闇落ちしてラスボスとなり果てました、作中のキャラぶれナンバーワン。ヤーブス・アーカこと、薮坂さんでございます。


『みなさま、お疲れ様でした。今回も戦犯(?)の薮坂です。

 いやぁ、どうなるかと思われたゆうすけさん主犯(いや主催)のリレー小説、本当にハゲあがるかと思うほどの戦いでしたね。

 みなさんの筆が恐ろしく面白くて速くて、チビりそうになりながら書きました。

 私がみなさんに謝りたいのは、第二周目の通称「映画回」。これは本当にすいませんでした、話を受けるかいなすかで迷った挙句、私の中のゴーストが囁いたのです。

 でも終わってみれば、これは案外良かったのではないかと思ったりもしています。ゆうすけさんには迷惑かけたけど。笑


 そしてまわってきた3周目、これは私の数ある作品の中でも1、2を争うほど出来が良いのではないかと自画自賛しております。

 全ての伏線をひとまとめ(まとめ切れてないのもある)にし、約束されし伝説のエンドへと誘う9フレーム目。ラストフレームは、lagerさんが素晴らしいものにしてくれるでしょう! 楽しみです!


 最後になりましたが、みなさんとこの狂宴をご一緒できて幸せでした。いろんな人の名前をもじっちゃいましたけど、別人だから許してくださいね!

 ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いします!』


 物語を一気に拡散させた大暴投からの、最終回直前の神繋ぎ。お見事でございました。




 お次はこちら。

 全ての始まりとなりましたCAにして妖刀葉桜を受け継ぎし隠れ里の女忍者カーコこと、かこさん。


『放り投げた話をしっかりと受け取ってくださり、予想を突き抜けた展開。とても楽しかったです』


 二十一話目にして唐突に始まったキャラクター紹介。いったいどれほどの読者があの一話に助けられたことでしょう。私も最終回の執筆にあたり大いに参考に致しました。




 となれば次はこの方。

 女忍者と壮絶な空中戦を繰り広げたかと思いきや次に登場した時はベッドシーン。なにげに歯ブラシとワセリンの最初の犠牲者でもあります、アンコック・セーウこと、暗黒星雲さん。


『凄い面白かったです。


 皆さん個性的で、そして必ず何か仕掛けてくるし、それがまるで予想できないし。

 そんなこんなで、いくらでも書けそうです。

 はい。


 心残りなのが、太陽系外縁部にて謎の大宇宙艦隊と、地球の絶対防衛兵器が対決するシーンを書いていない事ですかね。


 勝手に番外編って事で書いちゃおうかな……。

 書いても怒られないよね。番外編だから』


 誤解を恐れずあえて言いますが、物語を混乱させたことを戦犯と呼ぶのであれば、この方も有力候補。熱いSF愛が迸ってました。ボストンテリア大好きなLAGERとしてはグッジョブと言わせて頂きます。




 続いてはこの方。

 意味深度ではナンバーワンのミステリアスレディ、ハルカ・アナトリア………を演じたことになっている女優、アヤカ・カズーノこと、万之葉 文郁さん。


『皆さまと一つの作品を作ることができて楽しかったです。また遊びましょう♪』


 エロテロリスト1号。医療行為という言葉の意味を確かめたい。ご馳走様でした。ありがとうございました。




 この流れならこの方。

 作中のトリックスターにして、ヤーブスの街を破壊したモノホンのテロリスト。猫獣人という触れ込みはどこへ行った。コスプレ美少女、エローナ・ツオンこと、夏緒さん。


『話を広げるだけ広げてそのままぶん投げまくってごめーんねっ!!

 こんなに連日笑い転げたのは大人になってから早々ないわ〜!!

 って思ってます。笑』


 エロテロリスト2号。いや、1号がこちらなのか? 尻を撫で回すシーンの描写が熟練のそれでした。




 続いてこの方。

 突如物語の中に現れた人語を解するボストンテリア。颯爽と現れ、颯爽と消え去っていきました。その短い脚でどうやってオートバイに跨ったのか。ウォーター・エッジ・ウエストこと、仁志 水ぎわさん。


『まさか自分が。こんな魔窟に(笑)。

 しかし、この世の果てを見ることは、存外、楽しうございました(笑)。

 まさか自分があんなものを書き、お話の中で

 犬とマッドサイエンティストになるとは(笑)。

 みなさま、ありがとうございました。

 またいつか、どこかで』


 前の話で振られた無茶ぶりに真正面から答えてくれました。逃げ道も用意されていたというのに。その結果爆☆誕した魔法少女は、この作品の混沌の象徴の一つとなりました。




 そしてこの方。

 ある時はマイナー映画に熱中する若き舞台女優。またある時は6つの世界を作り上げた超常の女神さま。野々原チエコさん、そしてアフロディーテ・ノーノチエこと、野々ちえさん。


『オールスター出演ということで、小説でありながら即興劇のようでもあり、個人的に非常にテンションあがりました。楽しかった! としかいいようがないくらい楽しかった! です。ありがとうございました♡』


 普段の作風からはかけ離れた戦闘シーンを書いて頂きました。その直前の流れを作った身としては恐縮すること頻りです。




 ここでこの方をご紹介。

 あなたの街の憩いの場、ダイナーKのマスターにして、生粋のロリコン野郎。そして、間の世界でその他の世界の観測を行うビッグ・ボス。ユース・K・ジリノフこと、ゆうすけさん。


『皆様にお礼。


 いや、ホント、100%ノリと思い付きで始めたリレー小説でしたが、多彩な作者さんにご参加いただいて楽しく進めました。


 お話の方は何回かデストロイヤーの方がぶっ壊してくれるもんで滅茶苦茶な内容になりましたが、そのたびに後続の方々が圧倒的リカバリーを見せてくれるという、みなさまの異才の一端を見せていただきました。


 それにしてもみなさん、書くの早すぎですよ。それが一番驚きです』


 リレーの進行監督と並行してのリアルタイム・レポート、大変お疲れ様でした。

 どうぞ頭髪を労わってくださいませ。




 どんどん参ります。

 ある場所では、街の平和を守るポリスの一員。

 またある場所では、葉桜の解放と陽炎の破壊を目論む秘密結社のエージェント。

 そして、潜在意識と顕在意識の逆転現象『アンコック・ヘミュオン効果』の提唱者、ヘミュオンこと、新巻へもんさん。


『みんなヤバイドラッグをキメすぎだと思います。

 こぢんまりまとめ過ぎたというのが反省です。

 皆さまお疲れさまでした』


 この混沌極まる物語の中にあって、不意に訪れるスモーキーなハードボイルド文章。緊張感が高まりました。




 いよいよこの方。

 ヤーブスを治療(?)した監察医にして、巨乳に殺意を燃やすスレンダー・レディ。魔法少女爆☆誕の原因となりました、ミカンサ・クーラこと、蜜柑桜さん。


『最初の感想「CAが忍者を探すところからの話ってそんな馬鹿な」

 次の感想「薮坂さん、本当にお書きになるってそんな馬鹿な」

 第3の感想「え? ゆうすけさん続き? しかも終わってない? リレー?!(へもんさんに無茶振り…)」


 一体誰が、ワイン飲んだ後に仕事して布団に倒れ込んだ後で深夜に投稿した140字未満×○回文の小話がこんなに長いお話になると思ったでしょうか。

 普段は一応、真面目なファンタジーを書いていますと標榜している私がまたもやSFでリレー。自分の回はあまり皆様を笑わせられなかったと思いますが、私はストレスフルな仕事の間に大爆笑しました。皆様に感謝感謝です。

 深夜に本気で遊んだら、すごいことが起きるものですね。リレーはまたやってみたいものです。

 ありがとうございました。あ、長くなっちゃった♡』


 その衝撃、察するに余りあります。この壮大な物語のきっかけを作って頂きましたこと、改めて御礼申しあげます。




 最後はこの方。

 間の世界のオペレーターにして、女神を救わんと奔走した終盤の功労者、竹上こと、竹神チエさん。

 なぜ竹神さんを最後に回したかと言いますと……。


『他では体験できないようなプレッシャーと解放感がありました。参加できてよかったです。あと――


 ストォォッッップ!!


 そこから先は、ワイズプロジェクト参加者全員で、声を揃えて言いましょう!


 いきますよー。

 せーのっ。




『えーきちさん! ありがとう!! ごめんなさい!!!』




 本当に、一切なんの関係もないにも関わらず名前を使われ、散々な目に遭わせてしまいました。

 それを快く受け入れてくださり、あまつさえ自身のTwitterで宣伝してくれるその懐の深さ。心より痛み入ります。次の機会があれば、今度は一緒に遊びましょう!



 それでは僭越ながら、AI『LAGER』こと、わたくしlagerの感想を持ちましてこの場の締めとさせて頂きます。


『私、普段小説を読んでてリアルにリアクションすることってあんまりないんですけど、竹神さんのえーきちさん真っ二つ事件には本気で吹き出しました。周りに誰もいなくて良かった。みなさまの遊びに混ぜてもらったばかりか、アンカーの大役を頂いたこと、とても貴重な思い出になりました。今後ともよろしくお願いいたします』




 それでは改めまして、ここまでお付き合いいただきました皆々様、誠に誠にありがとうございました。


 Y氏のリレー小説プロジェクト(妖刀編)

 これにて終幕でございます。


 どうぞみなさま、よいものがたりを。

 

 

 

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