最終話 新生活

「チリリリン」


 いつものようにアラームが鳴る。

 そして寝ぼけながらアラームを止め、また布団をかける。

 これが寝坊するときの典型的なパターンだ。

 しかし、今日は休日だから急いで起きる必要はない。まだたっぷり時間はあるのだから。

「起きなさいよ!すぐる!」

 

 誰かの声が聞こえる。誰の声だ?ここには俺しかいないはずだが・・・

 それにしてもうるさいな。寝かせてくれよ


「こんなに言っても起きないなんて」


 あきれたようなため息とともにそんな言葉が聞こえる。

 そして、今度は体を揺らしてくる。さすがにこれは我慢ならん。

 そして俺は目を開いた。そして驚く。なぜならあおいが俺の上に乗っていたからだ。

 そして目が合った瞬間、二人とも顔を赤らめながら目をそらす。


「なんでここにいるんだ?」


「お、起こしに来てあげたのよ!悪い?」


「悪くはないが、なぜ俺の部屋には入れてる?」


 当然の疑問だ。俺は合鍵をを作ってないから渡した覚えはない。


「マンションの管理人さんに言ったら開けてくれたよ?」


「そんなのセキュリティなんてあってないようなものじゃないか」


 こんなセキュリティがガバガバなマンションで生活していたとは、我ながら情けない。碧だったからよかったが他の奴だったらどうなっていたか・・・


「何?私、入ったらダメだった?」

 

 泣きそうな顔で聞いてくる。


「いや、大丈夫だ。でも起こすの早すぎやしないか?」


「そう?私いつもこの時間ぐらいに起きてるけど?」


「まだ六時半だぞ。それに今日は休みじゃないか」


 そう、今日は土曜日。休日だ。俺は休日はゆっくり寝たいから十時に起きている。だから今日はかなり早い。


「休みでも早起きしないと体のバランス崩れるよ!」


「それもそうだな。起きるか」


「うん。それと、朝ご飯は用意してるから!」

 

 一体何時に起きて作ったんだ?そんな疑問を抱きながら、洗面所で顔を洗ってから食卓に向かう。


「今日は味噌汁と焼き鮭だな」


「おいしくできてるか不安だけど食べてみて」


 まず鮭から食べてみる。

 ほどよい加減の塩味と魚のほくほく感が食欲をそそる。


「おいしいぞ!」


「口に合ってよかった」


 次に味噌汁を飲んでみる。

 今回は玉ねぎと豆腐とわかめの味噌汁で玉ねぎの甘さをよく感じられる。


「味噌汁もおいしいな。」


「玉ねぎ入れてみたんだけど、どう?」


「玉ねぎを入れたのを食べたのは初めてだけど、玉ねぎの甘みが良く出てておいしいよ」


 本当においしい。このまま毎日作りに来てほしいぐらいだ。

 いつもはコンビニ弁当や菓子パンなどバランスなんて考えなかった。

 しかし、碧が来てくれてからバランスの良い食事になって体調がいい。これも碧のおかげだ。


「これからも朝ご飯を作ってくれると嬉しいんだが。俺も手伝うし」


「そ、そんなに私の作った料理が食べたいのなら、朝だけじゃなくて昼も夜も作ってあげる」


碧は顔を赤らめながら言ってくる。本当にありがたい。


「いいのか?ならお願いする」


「うん。じゃあ今日の昼から一緒に作ろうね」


「ああ」


 そして俺は冷蔵庫を開け、今日の昼ごはんのための材料を見る。しかし材料がほとんどない。最近買ってなかったからだ。


「じゃあ食材がほとんどないから買いに行かないとな」


「そうだね。じゃあ一緒に行こっか」


「そうだな」


こうして碧との半同棲生活が始まったのだ。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


これにて「隣に引っ越してきた美少女が幼馴染だった件」完結となります。

意外と書いてみると難しいものですね。三日坊主の僕にしては結構続いたと思いますが約二千字書くだけでもかなりの時間がかかってしまいました。

次回作はいつになるかわかりませんが考え中です。

またラブコメを書くかな。今回の反省点を見直して書いていきたいと思います。

応援よろしくお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

隣に引っ越してきた美少女が幼馴染だった件 司波翔平 @syou_k

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ