一話完結のボリューム満点SF群像劇

一話あたりに割く情報量の豊富さに、まず目を見張ります。
風刺の効いた歴史のオマージュを感じられる良作です。

片や、コメディータッチのはっちゃけた口語体の作品なのに、舞台は他所の惑星という組み合わせが、すんなりと成立するおかしさがあれば、

片や、ぐっさりと人間の本質を一突きするような、重々しいテーマを淡々と語るナレーターを彷彿とさせるドキュメンタリー風味もあり、

どっしりした作品で、各話とも、かなり世界観を作り込んでいることが窺えるのに、
涼しい顔をして、しれっと一話に収めて完結させてしまう「一生懸命感」を面に出さない作者様のスタンスも同時に垣間見えます。凄いです。