エピローグ 冒険の旅に

本日二話目です。

**


「どうして、こうなったんですかね」

「さあ? なんででしょうね、アドット」

「な、なんでやろな……わしアホやからわからんわ」

「と、申しておりますが裁判長。これは同判決を下すべきでしょうか⁉」

「有罪」

「ぐはっ! アヴァ、今日はいつにもまして冷たいやんけ! どうしたんや⁉ 生理か?」

「死ね」

「今のはさすがにどうかと思うけどな……ねぇ、レイバー」

「いや僕に振られてもちょと反応に困るけどね」

「ニャハハ……そういう反応今はかえって気持ち悪いよ?」

「ぐはっ! そ、それは地味に刺さる……」

「……でも、またこうして旅に出られるなんてな……夢みたいや。みんなホンマに迷惑かけたな。すまん」

「な、なによ。急に謝らないでよ。かえって調子が狂うじゃない」

「そ、それはさすがにどうかと思うんですけど……」

「でも、なんでわしは国外追放なんて軽い罪で済んだんやろな。今回は死者は何でか知らんけどでんかったらしいし、それのおかげなんかな」

「なに? 喜んでるの?」

「や、それはない。確かにみんなと一緒におれて嬉しいと思う気持ちはちょっとはあるけど、それでも迷惑かけたら謝らなあかんからな。ちょっとずつでも復興資金として街の修理費は払ってくつもりや」

「そ、そう……」

「まあでも、それは本当に謎よね。アドットなんて街一つを壊滅状態にしたんだから死刑じゃないとおかしいくらいだし。何かよっぽど大きな権力でも働いたんじゃない?」

「な、なんでだろうねー……ニャハハ」

「まあでも、本当にこれからどうするつもりよ。幸い冒険者としての資格までは剥奪されなかったけど、私たちの噂は広まってるだろうし、きっとこれから大変よ?」

「や、それはだから悪かったと思ってるって……」

「まあでも、とりあえずは適当な街に行って拠点構えるところからだろうね」

「ああ、愛しのソフィアちゃん……またいつか会おうね」

「おい、お前やっぱり反省してないだろ」

「やからしてるゆーとるやろ!」

「まあいいわ、ほら。早く行くわよ」

「……え? ――ぼ、僕も行っていいんですか?」

「「「はあ?」」」

「兄ちゃん……まだそんなこと言うとったんか。んなもん、ええにきまっとるやろ?」

「アドットさん……」

「ま、こんな暴走列車抱えたとこで兄ちゃんがええんやったら、やけどな」

「そ、そんなの……そんなの問題ないです!一緒に行かせてください!」

「わたしも! わたしも何なら暴走するよ!?」

「や、それはやめろよ……」


「ま、ともかくじゃあ行くわよ?」

「はいっ!」


 僕らはそう言って冒険の旅への一歩を踏み出した。



**

ひとまずこれにて終わりとさせていただきます。

続編を書く予定は今のところありません。

もしよろしければ、『+零+ダークネス・ブラッド・シークエンス』という厨二作品の方もよろしくお願いします(完結済)。

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