第3話 近づくこの想い

9月末。10月の体育祭に向けて練習が始まった。体育祭のチームはクラスごと。内容は全員リレーと大縄跳び。私は、大縄跳びの回し手、ターナーという重要な役職についた。


「真悠?今日の体育祭の練習のこと聞いた?」

「え!?何も聞いてないよ。」

「なんか、ブロックごとの練習らしいよ。」

「そうなの!?てことは若泉先輩と一緒に練習できるってこと!?」

私は1年4組。そして、先輩は2年4組。ブロックはクラスごとのため今日の練習は先輩と一緒にできるのだ。2時間も先輩と一緒に練習できるなんて…嬉しいけど心臓が持たないよー!

「良かったね。」

「うん!楽しみだな〜」


待ちに待った体育祭の練習。

「先輩どこかn…いた!ね!碧、先輩いたよ!相変わらずかっこいいな〜」

「ほんとに好きなんだね笑」

「当たり前じゃーん!」

やばい!かっこよすぎるって!


3年生が練習内容を説明してくれた。一通り説明が終わると、

「じゃあ1年生から大縄跳びみせてもらおうかな。1年生準備よろしく。」

ここで、ターナーとして先輩にいいとこ見せないと!


準備が整った。

「それじゃあ1分間、よーい始め!」

練習が始まった。いつもは全然緊張しないのに先輩に見られてると思うととても緊張する。

「いくよ、せーの」

私の掛け声で縄を回し始め、みんな一斉に跳び始めた。

「5・4・3・2・1…終了!」

終わった〜

「疲れた〜1分間って結構長いね笑」

「そうだね〜お疲れ様。」

そんなことを話していたら、なんと!先輩が近づいてきた。

「ねぇ碧、なんか先輩がめっちゃこっち見ながら近づいてくるんだけど」

私が小声で碧にそう伝えた時、

「急にごめんね。」

え!?私に!?先輩に話しかけられた!?夢!?

「全然大丈夫です!」

「ターナーの子だよね?」

「はい!」

「縄の持ち方なんだけど…」

先輩はそういうと、私の手をつかみ始めた。え!?ちょっと、どういうこと!?

「手はここじゃなくてこっちの方が回しやすいし、みんなも跳びやすいよ。俺もターナーだから分からないことあったらいつでも聞いてね!」

わざわざ説明しに来てくれたんだ。それにしても、距離近すぎるよ…

「ありがとうございます!」

「うん。次の練習からこれで回してみてね。」

「はい!ありがとうございます!」


今日の練習はいい練習だったな。でも先輩、なんで私にだけ言ったんだろう。ターナーは私の他にもいるのに…変に意識しちゃう。やっぱり私、先輩のこと好きなんだな。あのとき、すごい顔あつかった。ばれてないかな。次の合同練習はいつだろうな…

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出会ったあの日から… 悠奈 @yuuna025

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