第2話 想い続けるこの気持ち

次の日。

「考えすぎて全然寝れなかった…」

先輩の笑顔が忘れられなくて一晩中考え込んでしまった。考えたくなかったけど、彼女いるのかなって。いるよね。だってあんなにかっこいいんだもん。

「はぁ…私が若泉先輩の彼女だったら死ぬほど幸せなんだろうな。」


「真悠!今日顔色悪いけど大丈夫?」

「なんか先輩のこと忘れられなくてさ〜」

「そっか、考えすぎはよくないと思うけどね。」

「うん。ありがと。」

「次の授業移動教室だよ。早く行こ。」

「そうだね。」

次の授業は体育。体育館は私たちがいる教室から階段をおりて美術室前の廊下を通った突き当たりにある。

「やばい!チャイムなる!」

先輩のこと考えすぎて時計見てなかった。

「何やってるの、真悠。もうチャイムなっちゃうよ!」

やばい。早く行かないと遅刻する。私たちは小走りで体育館に向かった。そのとき、美術室の窓から見覚えのある顔が見えた。あの爽やかな笑顔は…若泉先輩じゃないか!!

「真悠!何してるの!早く行かないと!」

「ごめん!そうだね。早く行こ。」

すると、若泉先輩が私の方を向いた。そして、ニコッと笑った。やばい!今目合ったよね。それでなに!あの笑顔。私を惚れさせに来てる?この調子じゃどんどん好きになっちゃうよ。


無事授業には間に合った。今日の体育はバレーボールだった。

「真悠、いくよ〜」

「うn…痛っ!」

「ごめん!真悠、大丈夫?さっきから変だよ。体調悪い?保健室行く?」

やばい。さっきの笑顔最高すぎて授業どころじゃない。

「ううん。大丈夫。ちょっとボーっとしてた。ごめん。」

まさか会えるなんて思ってなかったから油断した。ちゃんと寝てくればよかった、教室出る前に髪の毛クシでとかしてくればよかった。あとから思うのは後悔ばかり…。また会えるといいな。やっぱり私先輩のこと好きなのかな。昨日より増してるこの想い。

若泉先輩。私は先輩のことが好きみたいです。先輩はこの想い受け止めてくれますか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る