出会ったあの日から…
悠奈
第1話 突然生まれた恋心
2020年9月15日。それは突然やってきた。
私は南中学校に通う中学一年生・田所真悠。親友の碧や幼馴染の優とともに楽しく平和な毎日を過ごしている。もちろん、恋愛には興味なかった、はずだった…
「失礼します。若泉励先輩っていらっしゃいますか?」
初めての委員会があった昨日。しかし、体調不良で休みだった生徒がいた。その生徒が、私が今尋ねている若泉励先輩だ。昨日の委員会の説明をしに先輩を尋ねに来たが先輩の教室に来るだけでものすごく緊張する。そんなことを考えていると、教室の奥から1人の男の子がやってきた。背が高くとても爽やかでクールな男の子だ。
「初めまして。若泉励です。」
わぁお…めっちゃイケメンじゃん!
「初めまして。昨日の委員会で話したことを伝えようと思いまして…」
やばい。イケメンすぎて委員会の話どころじゃない。頭が真っ白になる。
「わざわざありがとう。」
「いえいえ!それで…」
私が一通り説明し終えると爽やかな笑顔で教室の中へと去っていった。
これは…絶対モテるじゃん。はぁ…
「ねぇ〜、碧聞いて〜。若泉先輩めっちゃイケメンだったんだけど!」
私は、唯一の親友・野々村碧に相談した。
「先輩のこと好きになっちゃったかも。どうしよう。ねぇ!碧聞いてる?」
「どうして好きになるのよ。イケメンだからって好きになるの?だったら優だっていいじゃん。」
優とは、2歳の頃からの幼馴染。学年一イケメンなことで有名。
「たしかに優もイケメンだと思うよ。でもそうじゃないんだな〜。」
「じゃあ何っていうの?イケメンだから好きになったって、真悠はそれでいいの?性格も知らないし、なんなら相手は真悠の名前すらわからないんでしょ?」
「そうだけどさ〜。」
たしかにそうだ。私は若泉先輩のこと何も知らない。それに若泉先輩は私の名前すら知らない。
「相手は何も知らない、か…」
でも爽やかなあの笑顔が忘れられない。結局授業中も考えすぎて全く集中できなかった。このモヤモヤ感、なんというか胸の奥がきゅっと締まるようなこの想いはなんなんだろう…
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