一票で十万! トラックに一票に「一票」?いや俺が 屋台の屋台骨太郎~つるつるの俺がこの国を買いました(シュールミステリー編)
水原麻以
屋台の屋台骨太郎、涙の決選投票
生活保護受給者の飲食営業妨害の取り締まりに追われる、一主義の芸人一座......。その飲食店での営業妨害(著作権)は、鬼籍入りの料理人こと屋台骨太郎が、生活保護受給者に食べ物を提供した場合のみ、営業妨害とは見なされないらしい。飲食店営業妨害取締官(トラックの荷台に寝袋という、シュールな事態になってしまった)の鬼籍入りを手伝う彼だが、トラックはトラックで、飲食店営業妨害とは見なされないらしい(トラックにはそんな法律はない)。
テンプレ、お笑いトランプ劇場の「一票に一票を。」を、なんとか「パクる」ことには成功した彼が、どうやったら、トラックに一票を入れることができるかを、考え始めた。果たして屋台骨太郎の悩みは、「どうしたら、一票に一票が入れられるのか」であった。「一票に一票を」とは、一体、どんなお題なのだろうか。そんなおり、商店会主催ご当地Z級グルメ選挙が開始した。屋台骨太郎の店も成行きで参加することになったが彼は気乗りしない。すると看板娘の鈴美がライバル店から出場するという。まさかの裏切りに屋台骨太郎は苦悩する。そこに生活保護受給者で元カノの恵美子が現れる。町外れのゴミ置き場にある廃車寸前のトラックを修理して一緒に参戦して欲しいという。一方、鈴美はライバル天長のせいで架空の借金を負う。選挙に優勝しないと鈴美は死ぬ。屋台骨太郎は恵美子を取るか鈴美を取るか苦渋の選択を迫られる。しかしどちらかの一方の女は死ぬのだ。どうする。
二人は生きのびるのか、もしくは、死ぬか。どうしよう。彼は鈴美を取る、と言ってしまってそれぞれの選択を迫られる。二人はなおも悩む。ライバル、二人は負けるか、負けず得々勝ち誇るか。二人はその結果は「一票に一票を。」となり、二人はお互いを応援した。そうするうちに、思いが天長に届く。二人はこの運命を受け入れる。どうする。ここで引き分けになったら、どうなるのか。その問題は、なんと鈴美と天長の賭けで決着がつく。
あるところでお花屋さんの後継者問題が起きており、そのお花屋さんに勤める女の子を探している天長の目からビジュアルに悟さとると、どうしてもお花屋さんを見つけ出したい人たちがいるようで、お花屋さんの売り子さん、お花屋さん、お花屋さん......と、お花の販売をしている人々を周りに配置してしまう。それを視し覚かく的てきに悟さとる鈴美の目、どこも変な人ばっかり......。それに対して、お花屋さんは、そうか、ここに行けば私のお花が売れるって言うから行こうとしたんだ。という感じで、お花の販売をしている人たちを配置する。お花屋さん、それには目もくれず、鈴美の様子を見守る。そこでお花の販売をしている人たちを配置していくんだ。そうして、そのお花売り方の人達はどんどん変わっていた。
このままお見合いして結婚するか。私はお見合いに出た方がいいのか。悩む屋台骨太郎は、ついに「一票に一票を」を実行に移す。こうして二人は一票に一票を入れて、一つの看板娘として結婚する。そして二人で自分のお店「三軒茶屋」を開く。そのお店は、「一票に一票を」と、二人だけのお店になってしまったのだ…。この物語には、自分を取り戻したい屋台骨太郎が、どこかでぶつかっている、そんな風な気持ちを描いている。それだけに、自分の生き方を改めて考え始めた一票に一票の一つに一票を入れることになった鬼籍のお店の話は、何とも言えない気持ちを残している。しかし鬼籍を持っている人は、一つの一票に、一票を入れられるだろうか。鬼籍を持っているからこそ描かれる、二人のお弁当の思い出。二人が結婚や離婚を考えるまでの道の中で、自分の人生を追う事になるのかも。ただそう思うと、鬼籍が自分の人生を終わらせてしまうことは避けたい。鬼籍のお料理人たちの思いを描く、といった内容にして読んだ後、読んだ後とは全くの別物で、一つの「人生」に、「一票に一票を」を加える事が、自分の人生を終わらせてしまうことにつながっているのではと考えて、そこでどうすればいい?
答えは出ない。そんな時、とある飲食店で生活保護受給者の少女が、屋台骨太郎と遭遇する。この時の会話の中で、鬼籍入りの少女は「料理人の悩みは一つではない」と、そう言い出す。するとある女から、鬼籍入り女は、「一つの悩みから逃げるのに、食事は一つしか食べない」と言い出す。だが、その悩みは一つではないという。そこに通りかかった鬼籍入りの少女に、鈴美がやってくる。「一つの悩みは二つ」という言葉にここは悩みを捨て、二つの悩みを取り除く。そんな時、鈴美が言う。「一つの悩みが、一つの悩みになり、二つの悩みになることは、それこそ「一つの悩みが二つになる」ということですよ」。「一つの悩みの、一つの悩み」は「食事は一つをということ」で一つに戻るのだから、これはおかしいと思える。「二の悩みは、一つの悩みとの、二つを避ける」これはおかしい。ならば今、「一つの悩み」との、二つを避ける機会は、もうすぐそのあとに。だが、もしかしたら、今、「二つの悩み」への道が一つと決まった瞬間、彼女は「一つの悩み」へ、それは嫌なのである。「一つの悩み」を避けられなくなってしまう。それを避けるために、彼女は一つの想いに至った。
一票に一票を。どんなものが入るか。何か見つからないか。
こんなとき、鈴美がトラックを修理しにいってくれるだろう。このとき、僕は自分の中に秘める、謎を少しずつわかっていった。「一票に一票を」。一票という一つの言葉が一つではない。一つの一票が無数に存在し、それぞれが別々の人に働いてもらっている。しかしそうなるように作られているわけでなく、一つの一票が世界にただ一つだけ存在する。それを一つの一票といいながら、複数の一票に分けるのか?そして鈴美が作るための一票が、もし一つでも違ったら?鈴花の中に一つの一票を見出したような気がした。その一票の数は増え続ける。それはやがて一つの一票となり、その一票を一つ一つ取り出していくのであった。しかしいつまでたっても一票を一つは取れない。その一票を一つ一つ取り出していくうちに一票を一つとして同じ一票ではないというその違和感を感じてきた。その一票の差が大きくなるにつれて、一票一つの差が「一票」という言葉から生まれてきて「一票を一つにしなかった一票」を一つの一票ということになる。一票を一つにしなかった一票を一つの一票として存在させることが可能になったのだ。
★どうでしたか、このお話。わけがわからないでしょう。わからないから「ホラー」or「ミステリー」なのです。
一応、問題は解決しました。屋台骨太郎はトラックに1票を投じたのです。
一票で十万! トラックに一票に「一票」?いや俺が 屋台の屋台骨太郎~つるつるの俺がこの国を買いました(シュールミステリー編) 水原麻以 @maimizuhara
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