第3話


最後に恋したのはいつだろうか。

今日聞いた真奈美の話を、帰りに思い出し考えてみた。



3年前?

少し考えて「あぁ、違う。」と記憶の片隅にある同じ職場で働いていた晃を思い出す。

7カ月とすぐに別れたけれど、ご丁寧にアイクラウドから「2018年の想い出」として懐かしい写真を見せつけられる。


この写真をとったとき、どんな会話してたっけ。

どんな声をしていて、どんな匂いだったろうか。

思い出しても、写真をみても全然温かくならない。




今でも声が思い出せるのは

写真を見なくとも、すぐに笑顔が浮かぶのは

温かくなるのは











恋かぁ。

始まりのお互いを探りあう時間も、連絡を取り合う時間も、もはや考えるだけで気が重い。


何歳なの?

仕事は何をしてるの?

休みは何してるの?

趣味とかある?


相手は別でも、まるでAIと話してるかと思うほどの同じ会話を繰り返し、どうやって人を好きになるのだろうか。


そもそも、私は今までどうやって人を好きになってたっけ?


…ていうか、そんな労力を費やしてまで恋愛したいのだろうか。


恋愛して何になるのか。

結婚?

結婚したいの?


考えれば考えるほど理性的で、本能的な恋愛とはかけ離れていく。


まさに、今私は迷子になっていた。



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息を吐く @ohagigasuki

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