第2話
「ほんまにつらみです~。」
お昼休み、サブウェイのサンドウィッチを食べながら後輩の真奈美が嘆いていた。
どうやら、最近インスタで話題のカフェに最近できた彼氏とデートする予定であったが、コロナで行けなくなったらしい。
「彼氏、看護師で~、濃厚接触濃厚接触うるさいんです。」
私がサラダを咀嚼している間に、真奈美は話す。
後15分で休憩が終わるのに、サンドウィッチ、さっきから全然減ってない。
私は真奈美の事の顛末よりも、少しだけ玉ねぎが落ちそうになっているサンドウィッチの顛末が気になっていた。
真奈美は今時の子で、「うん」「そうなんだ」「そんなことあるの?」「大変だね」を繰り返すと次から次へと話題が湧き出てくる。
「もー!優紀さんちゃんと聞いてくださいよ!濃厚接触濃厚接触言うてたら、全然距離縮まらへんくないですか?!」
語尾が上がってる。
彼女…、いや女子の話の語尾があがると大抵この返答を待ってる。
「そうだよねー。」
松尾優紀、29歳。
いつの間にか、浅い浅い息を吸って相手の心地よい言葉を探し発するようになっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます