月のかたちと二人のかたち

作者 鹿島 茜

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★★★ Excellent!!!

おい、こら! 去年の自分!
というか、数か月前の自分!

――は、はい。

おまえ、BLは苦手だと言っていたな?

――いかにも。
あ、水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る』『俎上の鯉は二度跳ねる』くらいは読んでますよ、教養として。

それでだいたいわかったような気になって、またBLから距離を置いていたんだよな?

――いかにも。

そんなおまえがだ、BLコメディ長編『月のかたちと二人のかたち』にどハマリして、更新のたびに飛びついて読むことになるんだ!

――な、なんと……!

暑苦しいコメント付けたり賞に出せと焚きつけたりすることになるんだぞ!

――……!(絶句)

どういう変化なんだ、なあ、気になるだろう!
いや自分でもびっくりだわ!

――ど、どういう物語なんすか、それは……(ごくり)。

ざっくり言えば、社会人男性の山本が狼男の隣人・田中に月夜にナンパされて、ノンケだったのにぐいぐい惹かれてゆくラブストーリーだ。

――情報量多いっすね。

とにかくふたりの会話が軽妙洒脱で、ベタッとしたところがないんだ。語りの部分もテンポよく軽やかにさくさく進んでいって、親密になってゆく描写もすごく自然だから、気づけば完全にふたりの世界の観察者になっているぞ!

――わたしがですか。

そうだ。「壁や天井になってふたりをひっそり見守っていたい」と願うようになったり、台詞のひとつひとつにキュン死にしそうになって、「ああああああああああああああああ!」などと悶絶コメントをしているぞ。

――……腐女子じゃないすか、それ。

設定は非現実的なのに、力まない、自然体のキャラがいかにもその辺にいそうなもんだから、するっと入りこめてキャラ萌えしたんだな。文体も天才的に信頼できるセンスが貫いているし。
どんなジャンルか、より、何がどんな風に書かれているかを基準に読むものを決めること。それがいち… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

BLといった類は読んだことが
なかったのですが、鹿島さん独特の
流れるような文章の効果で違和感なく
読むことが出来ました。
嗅覚や味覚、そういった五感を
呼び覚ます丁寧な描写も素晴らしい。
料理の湯気とか月夜の幻妖とか
そういった点を表現できるので
アニメ化しそうな作品だと感じました。
完結おめでとうございます!