ロリコン教師の憂鬱
@mugennanpin
第1話 幼女固め
みなさんは「幼女固め」という技を知っているだろうか。
右腕を背中側に引っ張られ、左手を地面の方へ引っ張られる。
ほどこうとしていると、今度は隙だらけのお腹に腕を回され、そのまま背中、右足、左足と抑え込まれる技である。
最後に背中側から首をキメられるのがこの技の恐ろしいところだ。
今日は右手がかのんちゃん、左手がすずちゃん、正面にあいりちゃん、背中は…たぶんるりちゃん、右足をひなちゃん、左足をにいなちゃんに抑えられている。
…ゆずちゃんがいない。まずい。
「おりゃあ!」
思考はできても振りほどくのは間に合わない。
案の定、ゆずちゃんが背中から飛び上がり首を絞めにくる。
長身を生かした力技だ。
「しぬ…しぬからまじでやめなさい!」
と言ってやめるロリたちであれば苦労はしない。
「いいじゃん、いへへへへ」
と言って首筋に息が吹きかかる。
くぅ…このまま負けてしまう…まずい、出そう…。
チャイムが鳴る。
セーフだ、即ち僕の勝ち。
「はい座りますよ。日直さんあいさつしてくださいね」
何事もなかったように授業を始める。
危なすぎる。今日も負けるところだった。主に股間が。
家に帰って右手をせわしなく動かしながら、今日の反省をする。
僕は何もしていないのに、突然襲われた。
僕はちゃんと「やめなさい」と言った。それでもやめなかったのは彼女たちだ。
だからこれはセーフだ。僕は被害者である。
7人のロリがいきなりやってきたことであって、あの状態に関して僕に否はない。
つまり合法だ。7人のロリを抱くような形になってしまったが、合法だ。
誰かが家族に伝え、家族が激怒してもこちらが負けることはない。セーフだ。
納得した瞬間…白いものがドバっと出てしまった。
ルール的には僕の負けだ。
ロリでイってしまったら僕の負け。実に簡単なルールである。
が、対戦成績はあまりよくない。
これはロリとの闘い…僕の尊厳をかけた闘いの記録である。
---------------------------------------------
趣味を仕事にするな、という人がいる。
趣味を仕事にしろ、という人がいる。
私は数年間働いた結果、どっちでもいいかなぁと思ってる。
他人のことなんて気にしてられるほど、暇な仕事ではないのだ。
否、そんな暇な仕事など存在しないと考える。
したがって、そのアドバイスは「遊んでないで真面目にキリキリ働け若者搾取してやると考える人間」の発言なのか、「趣味を仕事にさせることでやりがいを搾取し、若者を使いつぶしたい人間」の発言なのかで大きく意味合いが異なる。だから…
だからなんなんだ。
と、暇なことを考えながら今日もだるい体を無理やり動かして車を走らせている。
アパートからは車で20分の場所に、僕の勤務地はある。
政令指定都市ではあるものの、それなりの田舎。地方都市の片隅ってな具合だ。
アパート借りるなら職場の近く…と思っているのだが、この仕事に限ってはそれが良い面ばかりではない。できるだけ「お客さん」とプライベートで会いたくないからね。スーパーとかで会ったらまぁ…別に何があるわけでもないのだが。
そんな僕から1つ言えるのは、
趣味を仕事にしようがしまいが構わないが、性癖は仕事にすべきでない、ということである。
いやもう苦しいぞ毎日…悦ぶ気持ちを爆発させながらギリギリのところで理性を保ち、平然と装うことの辛さといったら苦しい以外の何という言葉で表現できよう。
だから僕の職場は僕にとって毎日が戦場と言ってもいい。ああ、戦場なのは間違いないのだけれど、それはこの日記を読みながら実感してほしい。
さぁ着いてしまった。ここが僕の職場…
新川市立緑田南小学校である。
----------------------------
この仕事はブラックだ。僕も転職活動中である。しかし、ロリたちといちゃいちゃできなくなると考えると、なかなか転職に踏み切れないところがある。
「おはようございます」
「おはようございます(怒)」
おっと主任様は機嫌が悪いようだ。今日も話しかけないように――
「あの。この宿題プリントなんですけど」
あ…昨日点検してもらおうと思って机の上に乗せたプリントね…
「これでは子どもたちが書けないでしょ?筆算させるんですよね!鈴木先生だったらどうやって書くんですか?」
「あー…ちょっとせまいですかね…」
「せまいんです。だから。これでは子どもたちが困ってしまいます!ちゃんと実際の場面を想像して作ってください!はぁ」
「はい!直します。すみません」
これが毎日のように続くんだから、困ったものだ。
僕の作ったひき算の練習プリントでは、確かに筆算のスペースは狭い。
クラスの25人は書けても、5人は書けないかもしれない。書けるかもしれない。
それくらいの狭さだ。
クラスの1人も見逃してはいけないのだから、主任様のおっしゃる通り…通りなんだけど、言い方とかもうちょっとないのかね。
…やはり転職は早々にすべきだろう。
--------------------------------
3月になり、今までの記録を読み返すとまぁ切なくなる。
ロリコンはやっぱり気持ち悪いし、くだらないことを書きすぎだし、当時の主任はひどすぎるし…。
ただまぁ、せっかくだからもう少し記録を読み返すことにする。
さて、次は何が書いてあるかな…。
ロリコン教師の憂鬱 @mugennanpin
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ロリコン教師の憂鬱の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます