数字 三八七
仲仁へび(旧:離久)
第1話
私が通っている学校は、かなり規模がでかい。
だから、一学年の人数もけた違いだ。
そんなに人数が多いと、競争もさぞかしはかどるだろう。
だ、なんて思っていると大間違いだ。
確かにはかどる。メリットもあるけど、デメリットもあるのだ。
ビリになったらより一層みじめになるだけ。
頭の悪い奴にとっては地獄だ。
特に、毎期ごとに行うテスト結果の発表が最悪。
今時、掲示板に張り出すかよ。全校生徒に見られるじゃん。
だから、三八七人の中で、順位を競わされるから、下から数えた方がいい人間なんて、毎期ごとに死にたくなる。
ああ、なんでこんな頭の悪い人間になってしまったのだろうか。
別に勉強は嫌いじゃない。
でも、頑張っても結果がついてこないだけ。
努力は嫌いじゃないけど、ようするに要領が悪いのだ。
はぁ、とため息をついて、ふてくされる。
掲示板に張り出されたテスト結果を見て落ち込むしかない。
いつもこうだ。テスト後は、憂鬱な気持ちだった。
こんな私と違って、さぞかしテスト順位の高い人間達は、人生満喫しているのだろう。
なんて、思っていた私の目の前を、学年一位と二位の男女が走り去っていった。
「まぁてぇぇぇ! いつも私が一番なのに、なんであなたが一番なのよ! 返しなさいよ!」
「返せるもんならとっくに返してるって! 頼むから獲物を狙うような目で追いかけてこないでくれ!」
ちょっと思い直した。
まあ、成績の良さが人間の全てじゃないよね。
数字 三八七 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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