第3話
応援席にて、慌てる俺。
なんでって、
俺のペアの真島マヒロが行方不明になったのだ。
「あれ、お前のペアの真島は?
そろそろ、お前ら入場口行かなきゃいけねーんじゃねーのか?」
「そ、そーなんだけど。いないんだ。
真島マヒロ。さっきまでは自分の席にいたよーなんだけど...」
時間は刻々と過ぎていく。
このまま、欠場か、と思ったその時だった。
「お待たせ、山吹くん!」
「え」
下を向いてぼーっとしてた俺が
顔を上げると。
目の前にいたのは、クレオパトラも
ビックリの美女だった。
「え、誰?」
「やっだなぁ!」
やっだなぁ!と再び声を聞いて、
俺は漸く気が付いた。
目の前にいる美女が誰なのかを。
「真島マヒロ?」
「そうそう、私だよ私!真島マヒロだよ!」
まるで、オレオレ詐欺みたいなノリで。
マヒロがそう言ってみせたんだけど。
俺は。マヒロの胸もとを見て、
まさに詐欺なんじゃないかと思った。
転入初日も、練習中も。
マヒロのことは、お世辞にも胸がなく、
最早、真っ平で。
スタイルがあまりよくない女子だと思っていた。
しかし、なんだ。
目の前にはめっちゃ胸のデカい女がいた。
全く以って何がなんだか、よくわからねー。
「ほら、もう、二人三脚の時間!」
「ああ...!」
俺はマヒロに右手を取られ、
立ち上がった。
二人三脚が始まり、
俺はマヒロに胸を押しつけられる形で
走る事になったのだが。
走っている最中、
遥か後方で林ユーコと走る
藤島の声が聞こえてきた。
「何だ...!おい、山吹は誰と走ってるんだ!?」
「スタイル抜群の超絶美女だし...!」
俺らが一位でゴールテープを切った時。
まだ、走ってる藤島は
林ユーコにビンタを食らってた。
「.....ってぇ!」
「何なのよ!私よりマヒロのほうが良かったってどーゆーことよ!もういっぺん言ってみなさいよ!」
「あ、いやー、何でもないってゆーか。
口が滑っちゃったってゆーか汗汗」
「ほんっと、男って嫌!!外見でコロコロ態度変えちゃってさ!」
ユーコは御立腹だった。
そりゃ、そーだろと思った。
男たる者、女子の前で
言っていい事と悪い事があるよな。
さて。
体育祭が終わり。
マヒロと俺は一緒に帰った。
これはマヒロが俺に話してくれたこと。
「嫌がる素振りも見せずに私と練習してくれて
嬉しかったの。私、みんなから地味子って言われてたけど、これが、本来の姿なの」
「本当の自分は超派手だし、発育も良すぎで。
それで、前の学校では嫌がらせにあったりしたから、この学校でもいじられたくないから、
地味子になっていたの」
「それでね、山吹くんが藤島くんとかに陰キャ同士お似合いとか言われてるの聞いて頭にきちゃって」
続けて。
「体育祭当日!絶対見返してやるーって思ったんだ!
見事、うまくいったみたいw」
真島マヒロが、はにかんだ顔。
滅茶苦茶可愛かった。
気付けば俺は。
告白していた。
その、返事は。
「勿論、いいよ、だよ」
陰キャな俺に。
超絶美女で、スタイル抜群の彼女が
できた瞬間だった。
Sランイケメンが体育祭の罰ゲームで陰キャな俺に地味子転入生との二人三脚を押し付けてきた結果w「た、大変だ...!おっぱい(巨乳)が当たっている...!」 雲川はるさめ @yukibounokeitai
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