第 21話・マキナ襲撃

マキナの通路を走り、大通りにでると、筋肉が剥き出しの猿の用な魔物の群れと冒険者達が戦闘を繰り広げていた。


『あれ…バンダースナッチですね、初めて見ましたが不気味な魔物です…ここら辺には生息圏は無かった思いますが…』


「それにこの量もおかしいのだ、普段はこんなに多くはないのだ」


バンダースナッチは普段は15~20の群れで行動する魔物である。


そんなバンダースナッチがざっと50はいる。

たとえ倒しても倒しても出てくる、そのせいか冒険者達が段々と押されていっている。


『【血の矢サングイズアロー】!』


「【竜発破】!」


赤い矢と爆風が飛び12体程度を仕留める、だがまたすぐに涌き出てくる。


「いくら倒してもキリがねぇぞ!」


「文句言うな新人いつか尽きてくるさ」


褌姿の男が2人、1人は見覚えが有る。


「海虎団の褌野郎なのだ、少し良いのだ?」


褌と兜だけを装備してグレートソードを振り回し、バンダースナッチを叩き切っている冒険者、ドゥークに声をかける。


「ん?爆発嬢ちゃんと昼間の蝙蝠くんか?どうしたんだ、向こうにはまだたくさんいるぞ」


「今の状況を教えてほしいのだ」


「そうか、新人先に行っといてくれ。今の、今の状況ねぇ…負傷者が多くなってきて押され気味だ、嬢ちゃん回復魔法を使える奴を連れてきてくれ」


『なら問題はないです!』


「あっ?蝙蝠が喋った?」


「念話なのだ、でもどうするのだ?」


ドゥークは、なるほど…って感じで納得してくれた。


『こうします!』


ボクは【治癒領域キュアエリア】を展開する、すると淡い緑色の光が冒険者達を包み、傷を治癒させる。


「傷が治って行くぞ!?」


「お前ら!また行くぞ!!」


おおおー!!と冒険者達が歓声を上げる、さっきまで倒れてる居た者達も立ち上がり、バンダースナッチの沸くよりも早くバンダースナッチ達を減らして行く。


「なるほど…」


「?どうしたのだ?」


「いや、絶望的な時にあんな奇跡みたいな事をを起こればやる気を取り戻す、そう思ったのか?」


『えっ?あっ、そっそうですよ~』


「…俺の思い違いか…」


「そんな事は良いのだ、それより何か変わった事とか無かったのだ?」


「ん~、そうだな、奴らは痛みを感じる素振りを見せて無かったな」


『どういう事ですか?』


「俺なんかより、他の冒険者達の方がわかりやすいと思うぞ?そうだなぁ、連中、皮膚が無いから塩水がしみるからそれを避けていくんだがな、それが今回の奴らには効かなかったことだな」


「なるほど…つまり奴らは操られてる可能性があるのだ?」


「そうかもな」


「おっおい!なんだあれ!」


冒険者の1人が叫ぶ、何かを破壊する音と大きな雄叫びが鳴り響く。


「どうやら悠長に話す暇は無いらしい」


長年マキナを外敵から守っていたであろう、落とし格子は無残にも破壊され、大量のバンダースナッチが侵入してくる。


そして、巨大な腐った竜が侵入してくる。


「こんなの、どうすれば…」


誰かがそう弱々しく呟く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転生先は蝙蝠です 星ワカメ @ijima

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ