第20話・どけ私が姉弟子だ

『…ルナさんって魔法使い知ってます?』

「知ってるのだ、凄い魔女さんなのだ、私の師匠でもあるのだ、師匠とはどういう関係なのだ?」


そう言ってシルヴァさんはタナカと僕を見る。


「乗せた船の乗り組員っす」


『一応弟子です』


「…!?師匠の言ってた弟子はこの子だったのか!?魔物とは聞いていたのだ…ただ人間に近い亜人系だと思っていたのだ!!」


シルヴァさんは首のモフモフを撫でながら言う。


『はい、師匠の新しい弟子です、あっそこいいです、もっとください』


「なるほど…今師匠はどこにいるかわかるのだ?」


「先に工房に向かうって言ってたっす」

「そうか、わかったのだ」


シルヴァさんは懐から携帯端末を取り出し、慣れた手付きでダイヤルを回す。


「師匠、先に向かうなら先に言って欲しいのだ…2人はこっちにいるのだ…変な奴に絡まれてコウモリくんが魔法で撃退したのだ…了解したのだ、2人ともこっちなのだ」


シルヴァさんが歩きだし、ボクたちもそれに着いていく。


『シルヴァさんは何時からここに?』

「シルで良いのだ、私自身は結構前からなのだ」


シルヴァさんはガントレットの指間接に油をさしながら言う。


「この国のことを教えて欲しいっす」

「わかったのだ、帝国マキナ、亡国マグナ・シレオをルーツに持つ、機械の国なのだ」

『マグナ・シレオ?ってなんですか?』


身に覚えの無い名称を聞き、シルヴァさんに聞き返す。


「簡単に説明すると、マキナよりも技術が発展していた国なのだ」


「名前は聞いたことが有るっす、強力なアーティファクトが有るらしいっす」


「そうなのだ、だけどその領域自体は誰も侵入できていないのだ」


『?どういうこととですか?』


「そのまんまの意味なのだ」


「確か、強力なオートマトンやガーディアンが居るって話っす」


『そいつらが彷徨いてるからですか?』


「そうなのだ、あいつらは侵入者を察知するとすぐに群がって来るのだ」


『なるほど、でも強い冒険者が居れば…


僕がそう言いかけた時、けたたましい鐘の音と共に声が聞こえる。


『市民の皆さん!避難警報です!魔物の襲撃です!、冒険者の皆さんは至急大通にお集まりください!』


「…これは急いだ方が良いのだ」


「俺は戦えないっすから船長のところに行って来るっす!」


タナカはそう言い残して、走って行った。


『ボクは戦います!これでも魔法は得意です!』


「それは心強いのだ」


シルヴァさんがガントレットのスイッチを居れると、赤い光が灯る。


「それじゃ、戦闘開始なのだ」


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遅れてすみません

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