Boy meets Girlと、現代ファンタジーらしいバトルの二軸で繰り広げられるライトノベルというカテゴリーに相応しい物語です。
エキセントリックな言動の多いヒロインから始まり、軽快という二文字の通り、軽く快い会話劇が繰り返されるキャラクターたちは、ともすれば読者を放置してしまいそうな勢いがあります。
それでも「訳が分からない」と投げ出したくなる気持ちが湧かないのは、このキャラクター達の勢いが、少しでも物語に入り込んだ読者を、ついてこられないのならば引っ張ってやるとばかりにパワフルに引っ張ってくれるからだと思います。
しかし軽いといっても軽薄さがある訳ではなく、背景にはしっかりした骨太のストーリーがあり、暗い影を落とすかとも思わされるのですが、そこは作者の技量の見せ所とでもいうべき点であり、悲観的とか不必要なダークさとは無縁、寧ろ少年マンガ的な熱さを感じさせます。
55000字弱の物語が、あっという間に過ぎ去っていく、そんなスピード感に酔うのも悪くないはずです。
ご縁があり、この物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。
本作はパシリにされていた少年クロの目の前に、一人の少女が降り立つ所というボーイミーツガールから始まります。親方! 空から女の子が! ついでに禍魂(マガタマ)と呼ばれる化物が!
良い餌(オトコ)であったクロはそのまま降り立った少女、モモコに力を分け与えてもらって使い魔の契約を結び、二人のTOKYOで禍魂退治の物語が始まります。
この物語の面白さの一つに、倒した相手を食べるシーンがあります。天狗ハム等、おおよそ聞いたことのない料理は、私たちの想像力を掻き立ててくれるでしょう。他にもネタはありますが、続きは是非本編で。
もう一つ、面白さの一因となっているものがあり、それはテンポの良さだと思っております。キャラクター同士の軽快な会話や目まぐるしく動き回る戦闘シーンが、冗長になることなく、サクサクと読めてしまいます。
ストーリー展開も物語終盤で彼らの置かれている状況、背景が明らかになり、良い意味でびっくりしますよ。
少年と少女が出会い、そこから始まるハッピーエキセントリックサイコバトルラブコメディ。他の皆さんも是非読んでみてください。