第7話 更なる進化
バラバラになった仲間たちの傷からは微量の光の塵のようなものがあった。
茜という女が言っていたように恐らくは、例の神聖攻撃を食らったのだろう。
俺はアンデッドという種族であるというだけで奴隷のように扱われ、差別され、更には理不尽に攻撃されて、殺されるというこの世界の人間に嫌悪感を抱いた。
脳のない頭の中で悲しみや怒りなどが交錯する中、補佐役の骸骨は俺に何か伝えたいことでもあるのか、地面に文字を書き始めた。
「長様。仲間の死を無駄にしてはいけません。彼らとの出会いは短い間でしたが、彼らは貴方様を尊敬し、仕えました、、、。 身勝手ではございますが、どうか、彼らを貴方様の体に
(?)
いきなり優秀であった彼からの謎発言に俺はかなり困惑したが、取り敢えず、理解は出来なかったものの頷きはした。そして、俺が頷いた後、何もしない俺に対して彼は首を傾げた。そして、彼は俺を手で一体のバラバラになった骸骨に向け誘導させた。
「ささ、どうぞ。」
俺はそのバラバラになった骸骨の腕の骨に触れた。すると、いきなりその骨が動きだし、俺の腕に纏わりついた。
(うわっ! 気持ち悪!)
俺のために死んでいった仲間のためにアンデッド界ではすべき行為なのかもしれないが、他人と合体するのは何処か気が引ける思いが多少なりともあった。そして、俺は35体分の骸骨と統合した。
俺は自分の腕を見た。すると、統合前と比べてさらに、太さが増し、色も少し黒くなっていた。
変わり果てた俺の姿を見て補佐役の骸骨は腰を抜かした。そして、俺は頭の上にある名前とLvが変わったのか知りたかったため、彼に聞くことにした。
「今の俺の名前とLvはどのくらいだ?」
「スケルドンLv28でごさいます。」
(え?我補佐よ腰を抜かして俺を見ていたけど、名前が弱そうになったし、Lvも低くなったのだけど、いいのこれ?)
「そのスケルドンLv28というものは凄いものなのか?」
俺の書いた文字を確認して、すぐに返信を書く。
「えぇ、もちろんでございます。スケルドンという骸骨種は私は見たことがありません。この世界にいるとしても、指で数えれるほどかと。」
俺は彼の書いた文字を見て希少性の高くなった俺の存在に、腕を組んで自分を誇らしく思った。
骸骨のくせしてあなたのことが好きになりました。 kuroodin @kuroodin
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