ある日自分が別世界の因縁に巻き込まれてしまった時、それに巻き込んできた奴を許すことができるか。こんなことを考えたことはないだろうか?
主人公のユウは、まさにそんな状況に叩き落された。異世界の魔法少女エルザと合体して女の子になったのである。この時点で目を疑うようだが、その上で世界を守る為に戦わないといけないと言うのだから、これは夢だと信じて疑いたくなる気持ちもわかる。
しかし残念だからこれは現実だった。故に先に挙げた、許せるか否かという問いが明白に浮き立ってくるのである。
その問いに対してユウはどんな答えを出したのか?
結末はぜひ君の目で確かめてみよう。
そこには胸躍り熱く燃え盛る情熱と、興奮冷め止まぬ性癖が待ち受けているはずだ。
散々真面目なことを書いたが、これは魔法少女もの。
お約束だって当然網羅しているので、真面目な話はチョット……という君も飽きさせないはずだ!
*面白すぎて第三話②まで一気に読了
【物語は】
異形と呼ばれる怪物が出るようになった世の中が舞台。ある日、主人公は手違いにより、魔法使いのようなカッコをした女性に、女にされてしまう。被害を被ったのはこちらなのに、何故か不満を漏らしているのは相手である。
理不尽な状況でも、冷静に状況を把握しようとする彼。喋ることは出来るが、喋ること以外出来ないという事態に。つまり、身体が乗っ取られている⁈
突然、日常から非日常へと引っ張り込まれることになった、主人公の運命とはいかに?
【登場人物の魅力】
段々と明かされていく、主人公の過去。主人公は自身の境遇により、荒れていた時期もあったが、常識的な考えを持つ人物の印象。祖母の教えを胸に抱き、寛容になろうとする場面も見受けられる。
主人公が、とても人間らしい。ここが物語の最大の魅力ではないだろうか。常識的=いい人とは限らない。世に出回っている多くの物語は、人類の為にあっさり戦うことを受け入れてしまう。しかし、それは子供向けの物語であると感じている。あくまでも良いこと悪いことを教えるために、極端にしているのではないかと思えるのだ。大人になれば分別もつくので、人間の感情に対するリアリティを求めるもの。その感情は複雑に違いない。
例えば、子供の頃は守られる側であったが、守るものが多くなればなるほど、リスクを考えたりするだろう。この作品では、そのリスクに対する対価についても描かれている場面があり、協力する理由の一つとして納得できる。
この物語では、主人公の心情がしっかり描かれているので、笑ってしまう部分、一緒になって腹が立つ部分など、感情移入しやすいことも、特徴の一つ。
ウィッチドライブをすることになった相手とのやり取りもとても面白い。相性は最高なのに、仲が悪いのである。しかし、言いたいこと言える相手なので信頼関係や絆は結ばれているように感じた。信頼関係があるからと言って、仲がいいとは限らない。これは現実にもあること。二人の関係が今後どうなっていくのか楽しみである。
【世界観・舞台・物語の魅力】
舞台は、異形と呼ばれる怪物の居る世界である。なので、それを倒すような人々も存在するようだ。
ウィッチドライブのシステム自体がとても面白い。原理は簡単に理解することが出来るのに、いろいろと興味深いことが起きてしまうのが面白い。何故、主人公が男から女になってしまうのか。何故胸のサイズが変わってしまうのか。その辺りの理由についても面白く、単に女性になって戦うのではなく、その為に起きる面倒なことについても描かれている。
本来ならウィッチドライブというシステムを使い、戦うはずではなかった主人公。手違いにより、戦うことになってしまった。この契約は簡単には、なかったことに出来ないため、ある程度の期間は主人公が変わりを果たさなければならない。必要なものは経費で落ちるのだが、それはどうやら国民の税金から支払われるらしい。
その為、必要なものではあるが、”これを税金で⁈”という状況が起き、そこにも笑いが起きる。主人公の複雑心境が笑いを誘うのだ。
この物語は、魔法少女に対する期待のようなものも満たされていると思う。男性が好きそうな際どい展開にて。もちろん、匂わせであるが。
単に笑いだけではなく、敵となる人物たちにも拘りを感じた。悪は一概に悪とは言えないかも知れない。関係ない人まで巻き込んではしまうが、発端がありそこに同情を禁じ得ないこともある。そして、そういう人の心に入り込む人間こそが、本当の悪なのではないかと考えさせられるのだ。
【物語のみどころ】
この物語の主人公は、ある理由から喧嘩などに対しては、腕に覚えのある人物。だからと言って、国民の為に戦う義理はない。それを行うのはそういう職に就いているものの仕事であると考える人間が主人公だ。
この考えには、多くの人が共感できるのではないだろうか。物語だから、フィクションだからこそ、正義の為に戦う者に憧れることはある。それは死なない前提だからではないのだろうか。
多くの物語の正義の味方は特殊な力を持っている。毎回入院シーンのある、ヒーローものは皆無とは言わないが、なかなか見たことがないのではないだろうか。しかし、自分の立場だったなら。いくら力があっても、やはり怪我は免れないし、死ぬかも知れない。そうなったら、何も考えずに協力などしないと思う。しかも、同意もなくいきなり体の性別が変わり、勝手に身体が戦い始めるなど、発狂しそうだ。
この物語には、大人になってからヒーローものや魔法少女ものを見た時の疑問などについても、ナチュラルに解決されている。とても人間らしいところが魅力の物語なのだ。
そして、何故異形が産まれるのか。そこにもちゃんと拘りと理由があるように感じる。正義とは一体なんであろうかと考えさせられるのだ。どんな人間にも心があり、悪が一方的に悪とは限らない。同情もしてしまう物語である。
あなたもお手に取られてみませんか?
笑いあり、怒りあり、ハラハラドキドキしてしまう物語です。果たして、主人公たちは真の敵を倒すことが出来るのだろうか?
是非、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。
Twitterから参りました。初っぱなから主人公が女の子にされてしまうという、けしからんうらやま……ではなく大変な展開に興味を引かれます。しかも戦わされる方とは……なんだか某ゲームのモンスターの苦労をさせられている感じですね。幼なじみとの交流がほほえましかっただけに、早く元に戻してあげて~という気持ちになりました。
バトルのテンポもよく、サクサク読めました。完全被害者の叫びと加害者(内部)の掛け合いが面白かったです。こういう会話パターン、加害者の方が開き直ってるのがすがすがしいですよね(笑)
敵は倒したものの、まだすっきりしなかったり新たな恋が芽生えたりと、この先も面白く読めそうな予感がしています。これからも頑張ってください。
異世界からやってきた魔女と契約し、魔法少女へ変身、その身分はヒーロー、或いはヒロインと呼ばれ、空想世界にしか存在しなかった怪物と戦う――大雑把に纏めてしまうと、レトロな怪物退治、流行の魔法少女にTS要素と、燃えばかりが前面に出てくる気がしてしまいますが、本作は、私は熱いアクションと、篤い情の物語だと感じています。
登場人物の多くは学生で、怪物の存在もヒーローやヒロインが何とかしてくれる世界では、精々、台風くらいの脅威にして感じられない空気があるように思える中、学校生活を満喫する方を優先させています。
責任感や危機感はないのか、無軌道すぎるのではないかと感じる事もあるかも知れませんが、私はストイックさよりも年相応、等身大の気取らない雰囲気を重視しているように思えます。
そんな雰囲気があるからこそ、その怪物となる登場人物の背景が、より暗いコントラストとなり、その闇が払われるクライマックスで、主人公の選択、言葉に開放感を憶えました。
スナック感覚で消費される物語が多い中、少し苦くて、とろける甘さのある、正しくライトノベルです。
契約した魔女と身体の相性が良いと魔法少女へ……、というわけではありませんが、ある事をすると男の子でも魔法少女になれちゃいます。
そして主人公ユウは、相性が良すぎちゃった魔法少女へ。
どんな魔法少女になったのかは、読んで確かめてみて下さい。
最後まで読み進めると、相性が良い意味もわかりますよ。
そしてこちらの作品、魔法がかっこいい。
言葉もかっこいいですし、使用した時などの描写が丁寧なので想像しやすいです。
まるでアニメを観ているような気分で読み進められます。
とてもスカッとしますけれど、それだけじゃない余韻にも浸れます。
あらすじにもほんのりと隠されているテーマ。
このテーマがはっきりとわかった時、とても優しい気持ちになれるはずです。
これぞラノベ!
そして感動もしたいあなたへ。
読み始めたら止まらなくなるような作品です。
ぜひ、読んでみて下さいね。