三国志物の至高、武侠小説の究極

時は後漢末期。潼関の戦いの直後。
敗残の馬超が暴威を振るい、彼と袂と別った韓遂ら関中軍閥残党、それらを追討する曹操軍ほか様々な思惑が錯綜する関西が舞台に、三人の男女が奔走する。

混沌とした状況におけるそれぞれの勢力の立ち位置を判りやすく描き切り、それらを下地とした構成力、キャラクターの個性や掛け合い、息をつかせる暇さえ与えない躍動感あふれる怒涛のアクション、まったく隙のない、非常に完成度の高い、文句なしの傑作です。

何より特筆すべきは、ただ歴史の事象をなぞるだけではなく、当時の文化や生活へも触れているという点。ストーリーの邪魔にならずごく自然と散りばめられていながらも、頭の中にするすると入っていって非常に為になります。
外出もままならないこの情勢下、是非ともお手に取り三国時代へトリップしてみてください。

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西涼女侠伝

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