ここはコスプレ部屋?


厨房はパーティーで提供されるためパーティー会場に近い場所にあった。

ちなみに王城内の地図は前日にタブレットで撮影していた。

地図を手に入れないとステータスのマップは使えないらしい。

王城内の地図はキュリオの地図だった。


「まあね、誰かが持ってる地図を見ただけてステータスに記録されたら地図屋は御飯おまんま食ってけないもんね〜」


《ここにはたくさん地図があるのでどうぞ》

〈いいの?〉

《かまいませんよ。冒険者や商人などに無料で配布していたものです》

《町や村の地図もあります》

〈もらった地図はステータスに登録されるけど、それを返却したら登録された地図も消える?〉

《いいえ、一度登録された地図は消えません》

〈じゃあ、魔法球を探しにでるときに必要だから貰っていこっと〉


魔法球は各国各地にある。

その魔法球を回収して回ることを決めている。

もちろん、ここで情報を十分に掻き集めてからだ。

この世界を知らなくては動くに動けない。

見知らぬ地で無鉄砲に動くことは得策ではない。

礼儀作法もわからないのだ。

日本のルールがこの世界で通用するとは限らない。


《あ、そこを右です》

〈おっと……ここはコスプレ部屋?〉

《ええ、全部持っていってもいいですよ。いらなければ売ってもいいですし、魔法球で覚えた【製造】で使えるでしょう?》


【製造】とは魔法球で得た魔法のひとつ。

これは服やアクセサリー、武器や防具などを作れる能力だ。

この世界では縫製とか鍛治という職種があるが、この【製造】という魔法は素材を選べば時間経過で完成する。

職種だと、機織りなど自ら作り出すそうだ。


同じような【創造】もある。

これももらった魔法球で覚えた魔法だ。

こっちは錬金や調合という『合成』の機能で、使い方は【製造】と同じだ。


さらに【複製コピー】がある。

これは生き物以外なら際限なくコピーができる。

魔法も魔導具でも可能らしいが、これも魔法球でしか手に入らない魔法のため、魔法から魔導具に移行しつつある現代ではほぼ失われた機能らしい。


《昔は悪用してる人もいたのよ》

《本当は自分が取得できない知識……回復魔法や医術なんだけど、それを身につけられるようになるためだったの》

〈お医者さんとか、看護師とか?〉

《そうね。あと、あなたの世界だと巫女さん、ていうのかしら? 禍々しいものを祓ったりするの》

〈へー、ってことは〉

《ええ、あなたが考えたとおり、黒い霧を浄化したりできるの》

〈しないの?〉

《私欲で働くようになったから》

〈うわー、役に立たな〜い〉

《お金をだせば何でもするわよ》

〈お金をださないと働かない。─── あれ? もしかしてこの黒い霧の原因って、その私欲の塊ナマケモノが原因?〉

《そうともいいますね》

〈そうとしかいわないね〉


ポンポンと新品のメイド服などの制服を、いわれたとおりに全部ステータスにしまう。

靴などの装飾品も全部しまっていく。

ここで試着するのは時間がかかるからね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

集団召喚⁉︎ ちょっと待て! 春の小径 @harunokomiti

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ