毒虫鼎談
朽木桜斎
テーマ:存在とはいったいなんであるか
進行役・
「えー、本日は、存在とはいったいなんであるかというテェマについて、
虫めづる姫君、進行を受けて
「存在とは這う毒虫である」
桜手折る中将、これを受けて曰はく
「ほう、それはいかに?」
しばしお二方の問答するところなりけり
「這うことに意味があるということである」
「蝶になることにではなく、なりや?」
「
「這いつづけることがなにゆえ、存在の本懐なりや?」
「存在とは
「それは、いかに?」
「決していたらぬとわかりもうされど、かに近づこうとすること、これぞ存在の本質なりけり。しかるに存在とは、這う毒虫である」
「はーはー、愉快、愉快。されど姫君、踏みつぶされる虫もまた、ありもうされば」
「然り。それもまた本質であり、存在の本懐である」
「いとおかし。しからば存在とは、虫のごとく小さきものなりや」
「あにはからんや、虫に大きさはなし。しかしながら、はかる虫はあり」
「はーはーはー、おかし、おかし。存在とは、いとおかし」
「それもまた、然り。存在とは、いとおかしけれ」
「はーはーはー、はーはーはー」
堤中納言、おさめて曰はく
「どうやらお話はまとまったようでございますなあ。答えなどないと知りながら、その答えを探そうとする。然り、これぞ存在なりもうせば。あーはーはー、あーはーはー!」
毒虫鼎談 朽木桜斎 @Ohsai_Kuchiki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
心が折れそうになったときのプレイリスト/朽木桜斎
★63 エッセイ・ノンフィクション 連載中 400話
オッサンになってしまった/朽木桜斎
★33 エッセイ・ノンフィクション 連載中 10話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます