第130話 薬草畑の夜 夢
アルカディア国では教育を重視して学校の設立が行われた。
ヒナとルナは教師として幼い子供達に様々な事を教えている。
デミールさんは研究者として本の執筆をしている。
ファリスは全ての人が利用出来る図書館を各村に作り、その運営をしている。
カナデは工房で女性用の美しい服を作っている。子供達に可愛い制服を作ってくれた。
アオイは東の国の復興支援の為に建築用の工具や農具を作って盛んに取引をしている。
ルドネさんは長城の東と西に支店を作り、3国の貿易商として大活躍をしている。
ジェロとクレアはすっかり東の国に馴染んだようであまり帰って来ない。楽しくやっているみたいだ。混浴の露天風呂が多くて最高らしい。今度、一緒に行く事にした。
セレスはフロンティア村の村長として活躍している。慈善事業を始めて長城の東と西で戦争孤児救済の為、孤児院を営んでいる。
ビッケは素潜り漁師に戻った。たまにファリスと一緒に干物を持ってきてくれる。
「ビッケ、東の国はどうだった?」
ビッケはファリスを連れていろんな所を旅するのが好きらしい。
「面白かったよー 食べ物も風景もアルカディア村とは全然違うね」
「本当に行くつもりなのかい?」
「うん、お土産を楽しみにしてて」
海の向こうにあるという違う国へ旅に出るつもりなのだ。
「ファリスも行くのかい?」
「勿論さー 海の向こうで本を探すって張り切ってるよ」
ファリスにビッケを止めてくれと頼んだが無駄だったな。
「もう止めないけど必ず帰ってくるんだよ?」
「大丈夫だよー ルドネさんに教えてもらった通りにやるからね」
ずっと海の向こうに行きたがっていたんだ。応援はしているんだが、どうしても危ない気がするので止めたくなる。
「フグミンも連れていってくれ。少しは安心出来る」
フグミンは何度も分裂を繰り返して何とか元の大きさに戻った。アルカディア村で掃除の仕事をしている。
ザッジは騎士団長を辞めた。門番に戻ろうとしたがさすがに無理だ。
「結局、木こりになってしまったな」
「仕方ないだろう……元騎士団長に門番はさせられないぞ」
ザッジは木を切って工房で家具を作っている。
「平和になったら何もかも元通りとはいかないんだな」
「村をしっかり守り抜いたんだ。役目は果たしただろ」
門番どころか英雄になったじゃないか。最強の武人だ。アストレーアから何度もスカウトされたが断ったらしい。
「そうだな……」
「何か気になる事でもあるのか?」
「今、アルカディアでは教育に力を入れてる……」
「ああ、子供達に伝えないといけない事は沢山あるからな」
「いい事だ。しかしな……少し悲しくなったんだ」
「悲しい? よく分からないな」
「年を取ったなと……」
「おいおい、俺達はまだまだ若いぜ?」
「錬金術の研究はしているのか?」
「いや、最近はほとんど錬金術を使わないな」
「俺達は長く生きられない。それが怖くて悲しいんだ。子供の成長を見守る時間も短い」
「それは承知の上で結婚したんだろ」
「勿論だ。だがな……何とか長生きして家族と少しでも長く生活をしたいんだ」
「不老長寿の石が欲しいのか?」
「そこまでは望んでいない……」
そう言われると俺まで長生きしたくなってきたな……
「よし! 長生き出来る薬の研究でもするか!」
平和になった世界で
ちょっとした秘密の研究が行われる事になった
それくらいなら神様も見逃してくれるだろう
満月の夜、月明かりに照らされて薬草達は輝きを放っていた。
満天の星の中から神話の星を見つける様に品質の良い薬草を選んで摘んでいく。
薬草畑では見慣れない薬草が育てられている。
ルナには内緒だ
夫婦の間の唯一の秘密
あ!
羊娘はブクブク太ってきたからダイエット中だ
〜〜 完 〜〜
あとがき
最後まで読んでくれてありがとうございます
長いようで短い物語はこれで完結です。
何とか最初の構想に近い形になったと思います
自分では書いて良かったと思える物語になりました
素人作家ですので厳しい指摘はあるかもしれません
↓の方に☆で評価出来る所があるので宜しければ評価をお願いします。
感想やレビューも募集しています。優しい気持ちで書いてくれると嬉しいです。
他の作品の連載もしていますのでよろしければそちらも読んでみて下さい。
読んだ人が少しでも明るく
前向きになってくれたら幸せです
読者の みなさんに感謝をこめて
ご愛読ありがとうございました
ふぐ実
ど田舎村のアルカディア 〜スローライフで最強国家作っちゃいました〜 ふぐ実 @fugumi
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