一部

一部

君がうつむく

そんなんじゃ何も始まらない

励ましの声は、君には届かない

僕の言葉じゃ、ダメなんだ

遠くから見る君はいつも輝いていて

その輝きのそばに、ずっといたい

願いは届かない。怖い。届けられない

わかってる

願いだけじゃ何も進まない

僕は続ける。君が僕に求める役割を

便利で、都合の良い、当たり障りのない人

お人好しで、謙虚。自分で言うのも変だけど。

だけど、演じているからわかるのさ

僕は君にとって、特別な存在じゃない。

僕がうつむく

君は励ましにきてくれる

君の言葉は、心に響く。

見つめられて、焦る気持ち。頬に出るのは僕だけだ。

君はたくさんの好意に囲まれている。

僕は、君の脇役でしかない。

脇役として力を尽くそう

理由はない。君が好きだから

今のままで良い。

僕は自分に自身がない。

君に釣り合うとも思わない。もっと素敵な人が、他にいる。

だけど、今だけは、願わせてくれ

誰にも届かない思いを。

君は僕に頼ることを遠慮する。僕に悪いからと

君はいつも荷物を背負う。みんなに悪いからと

僕は、心のそこから手伝いたい。本心を君に伝えてる

だけど君は、優しすぎる。

僕の手を借りることはしない。

どうして、僕の心持ち全てをあずけられないのだろうか

僕は、君の近くにいるだけで、十分だ。見返りはいらない。