10話.[任せてください]
「素晴くん、ちょっといいかな?」
「え、あー、はい……」
まだもう少しある休みを利用して遊びに来ていたらにこにこ笑顔の進さんに捕まった。
リビングでは瑞緒がアイスを食べながらゆっくりしている。
ただ、残念ながら味方をしてくれるようなこともなく。
「素晴くん」
「は、はい」
「おめでとうっ、瑞緒ちゃんをよろしくねっ。あ、駆流くんには望心ちゃんをよろしくって言っていたって言っておいてくれるかな?」
「わ、分かりましたっ、ありがとうございますっ、任せてくださいっ」
解散となってリビングに戻ったら凄く安心できた。
瑞緒はこっちを見ながらアイスを食べることに専念している。
まあ、あれだけ大きな声で会話をしていれば聞こえるだろうから言わずにおいた。
「しゅばる」
「なに?」
呼ばれたから更に近づいてみたら頭を撫でられてしまった。
なんか彼氏と言うよりもそれこそ弟的な扱いをされているようで複雑な気持ちに。
「瑞緒、僕のこと……弟的な感じで扱ってない?」
「ん、ふぅ、どうして?」
「あれからは……甘えてもくれないし」
「じゃ、こうして抱きしめればいいの?」
「待って待って、アイスがっ」
彼女はこっちの頭を抱きつつ「わがままね」なんて言ってくれたけど……。
でも、実際にそれで満足してしまっているから難しいというか。
「はい、アイスでも食べていなさい」
「うぶっ」
「ふふ、いい顔ね」
こういう部分もあれなんだけど。
まあ、我慢しておこうと決めて残りを食べておいた。
アイスは普通にバニラ味で美味しかった。
39作品目 Nora @rianora_
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