霧の軽さ

ohne Warum|

第1話

まだ生簀から救い上げるのが難しい子たちも多くいるはずだけれど、確かなことはその現実で苦しみ続けたら幸せに死ねるはずだということ。そこに長く居すわり続けることで夢は現実と区別もつかなくなるものだから、こちらの霧の軽さなんて誰も気にしなくなるのは、今まで人々を見てきた通り。憎しみあって殺しあう日々の到来する予感を感じ次第にそこから離脱して箱の中に逃げ込んでほしいけれど、多くの人々はまた同じ場所へと帰ってしまうものだから、それを止めることはしないし、話をしたところで理解もされるはずがない。なので少しでも生存することに困難さを味わうことのない、安らかに眠りにつけるような箱を見つけることができたのなら、そこでの日々を大切に生きてほしい。君たちは君たちの見たい中で生きたらいいし、それはカオナシにならないためには、とても大事なことのはずだから。食べるなら白大福がいいと思う。そう信じてる。何もかけずに。かけても塩やオリーブだけ。パルメザン。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

霧の軽さ ohne Warum| @mir_ewig

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る