未来の平和

櫻唏 桃菜

未来の平和

小説ではありません。 声劇台本です。

配信ツールは、ツイキャス以外はNGです。

アドリブは、性別を変えなければOKです。



 登場人物:

<>:神谷健人(かみやけんと)

(地球時空防衛隊トップチーム:ペネム空軍所属)


≪≫:佐々木美琴(ささらきみこと)

(地球時空防衛隊トップチーム:ユーラ海軍所属)


『』:柊湊(ひいらぎみなと)(地球時空防衛隊トップチーム:ユーラ海軍所属)

(美琴と健人の1年後輩だが、何故だか美琴に懐き健人にもタメ語で話している)


「」←辻澪(つじみお)

(地球時空防衛隊トップチーム:ミネルバ陸軍の軍長)

(3人の先輩で、よく美琴と話している。)

(泉希と真依羅と同期で、仲良し。)


【】←日野 泉希 (ひの みづき)

(地球時空防衛隊海軍専属オペレーター)

(澪・真依羅と同期で、よく話している。)


〈〉←櫻 真依羅 (さくら まいら)

(陸軍訓練チームの現場監督)

(地球時空防衛隊陸軍専属オペレーター)

(澪・泉と同期で、仲良し。)


N←ナレーション・K←語りセリフ



~回想1~

健人side

美琴を初めて見かけたのは地球時空防衛隊の入学式だったな。

入学式の時に隣の席で、すっごい美人だなぁって思ってて、いつかは同じチームで活動できたらいいなぁって思ったんだ。

入学式を終えて、お偉いさんが俺が所属する訓練用のチームを紹介してもらったんだ。そこに美琴の姿があった。

一緒になるとは思ってもなかったから、超嬉しかった。当時の俺は、あの子を守るんだ!って意気こんで訓練用の機体に搭乗したけど、俺より実力がある美琴にピンチを救われた。

俺は何もできずに訓練用のチームを卒業した。実戦用のチームで澪先輩と出会った。澪先輩は結構フレンドリーな先輩で、「いつでも話しかけてね!」って言われたけど、澪先輩はいつも誰かと話してるから、話しずらいんだよな・・・


美琴Side

私はスカウトされた人とは違う。

入隊試験をクリアして入隊した超エリート!

地球防衛隊に入るには大きく2つのルートがあるの。

1つ目は、地球時空防衛隊のお偉いさんからスカウトされて、入隊するルート。

2つ目は、防衛隊から提示された検査をすべてクリアして入隊するルート。

私はどっちもやった。先にスカウトされたけど、親が怪しんで断った。

だから私は2つ目のルートを使って入隊したってわけ。

2つ目の入隊試験は、いくつかの関門があって

1つ目は書類審査。書類審査では、約3,000人が受けるんだけど、そこで半分の1,500人になる。

2つ目は、学力検査。基本5教科と地球時空防衛隊についての3科目のテストするの。合格ラインは450点。だけど、地球時空防衛隊についてのテストはひっかけ問題が多いの。そこで500人が落とされる。

3つ目は判断力の検査。検査内容は、ざっくりいうと敵か味方かを的確に素早く判断できるって言う検査。実はこの検査だけ検査方法が特殊なの。何が特殊かっていうと、検査場所・検査時間が特殊なの。まず集合時間は検査が始まる3時間前で、検査場所は地球時空防衛隊本部。最終検査だから本部でやるのかな?って思ってたけど、実は本部には入隊検査用に作られた映像だけ映すことが出来る、特別なコックピットが作られているの。しかも10台。

地球時空防衛隊のほかにも、火星時空防衛隊だったり、水星時空防衛隊だったり、他にもいろんな防衛隊があるんだけど、入隊検査用の特別なコックピットが用意されていたのは、多くても7・8台だったのに、地球時空防衛隊だけ10台用意されてるの。

私も入隊検査の時はびっくりした、こんな多いんだなぁって。

そしてもう1つの不思議な所は、集合時間。集合時間が検査をする3時間前。聞いたことないでしょ?ww集合時間が試験の3時間前って。

でもね集合時間を検査開始の3時間前にするには理由があって、その理由は、ホープの操縦を覚える事。

覚えるといっても、全部を完璧に覚えるわけじゃなくて、普通に操縦できる程度の操縦方法を覚えるの。

覚える時間は、人によって違うから全員が覚えられるように試験3時間前。

そして試験本番。コックピットの中に監視カメラが2台あるの。だけどコックピットの中にいる人には見えないの。なんでっかっていうと、スピーカーの色と一緒だから。

その2台のカメラから試験監督がそこから監視してるの。そして敵と味方がランダムでコックピットの椅子の前のスクリーンに映し出される。スクリーンに敵が映し出されたら攻撃をして、味方が映し出されたら通り過ぎるのを待つの。もし敵を攻撃しなかったり、味方を攻撃してしまったら、音が鳴るの。3回までは大丈夫だけど、4回目になるとスクリーンが真っ暗になって、コックピット内が、赤く点灯してコックピットのドアが自動で開いて強制終了になる。

その検査も合格して残った約200の人は、1人、1人お偉いさんと面接をしてふさわしい人だけを入隊できるの。

私の時は私だけが受かった。そしてわたしは、訓練用のチームで健人と出会った。 実力的にスカウトされた人だとわかった。スカウトされた人はダメね・・・実力不足だし、すぐ冒険してピンチになるし・・・もっと入隊試験で人をとればよかったのに・・・私は1人で、頑張ってユーラ海軍になるって決めたの。そして訓練用のチームを卒業したら、実践用のチームに所属することになったの。監督は実力順に所属するチームを決めていくって言ってたのに、なんで実力不足な健人とチームを一緒にするのよ!

私の無駄な活動が多くなるじゃないの!って思ってた。けど訓練が始まると健人は敵に向かって、走っていった。また冒険してって思って守備体制をとってたら、一撃で殲滅(せんめつ)をしたの。

その時だけは、健人を見直した。実践用のチームでたくさんの先輩を見る中で一人話が合いそうな先輩が居た。その先輩は澪さんという方だった。チームでの訓練が終わった後、澪先輩に話しかけてみた。澪先輩は、優しく話してくれた。しかも私と話が合う先輩だったから、こんなに先輩と気軽に話せたのは澪先輩が初めてだったし、嬉しかった。


澪Side

私が地球時空防衛隊に入って2年。初めて後輩が出来た。数多くの後輩がいたけど、話が合いそうな子が2人いた。1人目は健人君。健人君は、まだ慣れてないのもあるけど、結構おどおどしてて、訓練用のチームに連れて行ったときも、〈あ、あ、ありがとうございます〉って言葉がうまく出てなかった気がする。だからこそ、いつでも話しかけてね!って言ったけど、一向に話しかけてくれない。

もしかして、私がフレンドリーすぎたかな?

2人目は美琴ちゃん。美琴ちゃんを見かけたときは、私がたまたま面接官だった時だっけ。最初見たときは髪をおろしてて、つばさ先輩と見間違えるほど美人って思った。実践用のチームで初めて話した時に、つばさ先輩と言葉遣いが似てて、つばさ先輩の妹さんかな?って思っちゃったww

訓練が終わって、同期の泉希と話してたら美琴ちゃんが話しかけてきてくれて嬉しかった!しかも話があって嬉しかった!


~回想2(回想1の1年後)~

湊Side

ある日地球時空防衛隊のお偉いさんから声をかけられて、体験入隊をしたら楽しかったから入隊した。

こんな軽い気持ちで入隊したって言うのがお偉いさんにバレたら、即刻クビになるかもしれないから。

入隊した日に貰った教科書を熟読して、翌日の訓練に挑んだけど、熟読するだけじゃ訓練は難しくて機体を操縦するまでに苦労したけど、操縦になれたら訓練が楽しくなった。そして初めて自分の実力がわかった。実力順にチームに所属すると監督に言われた。

俺は先輩しかいないチームに所属になった。

活動する中でひときわ目立つ人がいた。その人は美琴さんという方だった。実践用チームでの訓練が終わり、美琴さんに声をかけようと思った。だけど、チームの先輩全員に止められた。

俺はなんで声をかけてはいけないかわからない。だから美琴さんに声をかけた。だけど、≪私は私より実力がある人しか興味がないし、話したくないの。私と話したければ、私より強くなってきて。≫と言われてしまった。だからこそ俺の心に火が付いた。美琴さんと話すために美琴さんより強くなってやる!


美琴Side

地球時空防衛隊に入って1年。初めての後輩が出来た。今まではずっと先輩を追う側だったけど、今日からは追われる側になるんだ。初めて声をかけてきてくれたのは、湊くんって言う子だった。湊君とは、実践用のチームで一緒で実力を見ていたけど、訓練チームで頑張って練習したんだなって言うことはわかったけど、やっぱりスカウトされた子なんだなってわかった。スカウトの子だけど、頑張って練習したからこその実力が現れていたからちょっと見直したなぁ。だけどやっぱりまだ実力不足で、意気が合わないところが多い。訓練終了後に湊君が話しかけてきてくれたけど、話す気にならなくてつい、興味がないと言ってしまった。また会ったら、謝ろう。


健人Side

地球時空防衛隊に入って1年か・・・。時間が過ぎるのは早いなぁ・・・。美琴とは、チームがバラバラになった。この前美琴を見かけたとき海軍の上着を着て後輩らしき子と話してたな。仲良しなのか?後輩が出来たのか・・・俺が所属してるペネム空軍は後輩が1人も入ってきてないんだよな・・・俺が先輩になれる人は、いつ来るんだろう?


澪Side

健人君と美琴ちゃんが入隊して3年か・・・そろそろ弟が入ってくるかな?

私は陸軍の所属が決まったけど、本当は、ユーラ海軍で一緒に弟と活動したかったんだよね・・・まぁ陸軍に所属できただけでもいいかな・・・でも秋にある所属変更オーディションまで、陸軍で実績を積んでオーディションに挑もう


~陸・海・空軍共通廊下~

泉希【真依羅は海軍だっけ?】

真依羅〈そうだよ。〉

泉希【後輩はできたの?】

真依羅〈後輩って言う後輩はできてないかな?でも気になる子は1人いる。〉

泉希・澪【だれだれ?(そろえなくてOKです)」

真依羅〈佐々木美琴ちゃんっていう子。〉

澪「美琴ちゃんは、めちゃめちゃいい子だよ。」

真依羅〈そうなの?てかなんで澪が美琴ちゃんのこと知ってるの?〉

澪「所属前訓練の時に美琴ちゃんとグループが一緒だったの。その時に、めっちゃいい子だったから。」

真依羅〈じゃあ、今度話しかけてみようかな〉

泉希【今日から海軍Aグループの専属オペレーターを担当することになったの。今から挨拶に行こうって思ってるの。】

澪「海軍Aって美琴ちゃんがいるグループじゃん。いいなぁ。

あっ!私、海軍に用があるのを思い出したから私はここで。」

泉希【私もここで。またね、真依羅】

真依羅〈うん。じゃあね〉

~地球時空防衛隊 海軍実践チーム第4基地~

澪「美琴ちゃん!」

美琴≪あっ!澪先輩!お久しぶりです!≫

澪「久しぶり!」

美琴≪澪先輩もしかして陸軍に所属してるんですか?≫

澪「なんでわかったの?」

美琴≪そのエンブレム、陸軍のですよね?≫

澪「美琴ちゃん、細かいところまで見てるねwwそう、私は陸軍に所属したの。」

美琴≪すごい!おめでとうございます!いいなぁ。私も早くユーラ海軍に所属したいです!≫

澪「ミネルバ陸軍に所属できたのは、嬉しいの。けど・・・」

美琴≪けど?≫

澪「ううん、なんでもないよ!」

美琴≪ところで、澪先輩の隣にいる方は?≫

澪「紹介するの忘れてた。この人は日野泉希さん。」

泉希【日野泉希です。今日から海軍Aグループの専属オペレーターを担当します。よろしくお願いします】

美琴M≪専属オペレーターってなに?もしかして訓練監督が言ってた案内係の方かな?とりあえず、自己紹介しておこうっと。≫

美琴≪佐々木美琴です。海軍Aグループのリーダーをしています。私の隣にいるのが、柊湊です。っていないじゃん。自己紹介くらいしてよ。≫

湊『柊湊です。海軍Aグループで、副リーダーをしています。よろしくお願いします』

泉希M【どことなく澪に似てる気がする。でもそんな訳ないか、澪の弟さんは3年前亡くなってるって澪聞いてるし。】

健斗〈美琴。〉

美琴≪健斗。久しぶり。どうしたの?海軍に何か用?≫

健斗〈真依羅さん、どこにいるか知ってる?〉

美琴≪監督はわからない。ごめん≫

澪「真依羅なら、空軍の本部にいると思うよ。」

健斗〈ありがとうございます!急いでるから、またな。〉

美琴≪あっ、ちょっともう・・・≫

美琴N≪久しぶりに会えたと思ったのに・・・≫

澪「さっきのイケメン君知り合い?」

美琴≪知り合いって言うか、同期です。≫

澪「イケメン君が同期ね・・・」

美琴≪なんですか?≫

澪「なんでもないよ!ただ美琴ちゃんがイケメン君を目で追ってたから」

美琴≪そんなことないですよ!≫

澪「ほんと?」

美琴≪はい。≫

澪「ふ~ん。」

美琴≪なんですか?≫

澪「なんでもないよ。私は、これで戻るね。泉希は、どうする?ここにいる?」

泉希【うん。もうちょっと話してく。】

澪「じゃあ、先に帰ってるね。」

N―陸軍ホープ操縦者は出動準備に移行せよ。

繰り返す陸軍ホープ操縦者は出動準備に移行せよー

澪「ちょうどよかった。じゃあね。」

美琴≪はい。≫


N―海軍ホープ操縦者は緊急出動準備に移行せよ。繰り返す海軍ホープ操縦者は緊急出動準備に移行せよー


美琴≪緊急出動準備はよほどのことがない限り、命令が出ないはず・・・湊、状況説明要請して。≫

湊『あいよ。泉希(みづき)さん、状況説明お願いします』

泉希【はい。今こっちに入ってきてるものを説明します。

今回は陸軍からの応援出動で応援出動の理由は、陸上で敵と判断されたサインホーンが人間が聞こえない周波数で海中にサイラントを呼びだしたもようです。

しかも危険度Aのダリウスです。それが緊急出動命令が出されたりゆうです。

あと、移動ヘリの第1便があと2分で出発です。】

美琴≪第2便は?≫

泉希【2便は、1便が出発した15分後に到着します。】

美琴≪1便にまだ空席残ってる?≫

泉希【確認したらちょうど2席空いてます。】

美琴≪じゃあ、1便で行くから席とっておいて。≫

泉希【わかりました。ちなみに今どの辺ですか?】

美琴≪海軍大広間。あと、敬語辞めて。≫

泉希【はい。じゃあ、そこから移動ヘリ着陸地点への時間を計算すると、1分30秒。そこからホープスーツに着替えるとなると、ギリギリじゃ?】

美琴≪私も湊もホープスーツはもう着てるから大丈夫。しかも今走って向かってる。≫

泉希【じゃあ、海軍大広間はもう抜けたの?】

美琴≪とっくに抜けた。≫

泉希【美琴か湊君かどっちでもいいから、位置情報ONにしてくれる?】

湊『わかりました。』

泉希【あっ、来た来た。今ピアノのところね。だったら、もうそろそろ着きそうね。】

美琴≪泉希さん、ヘリはもう到着してる?≫

泉希【まだ到着してないわ。待ってる人はたくさんいるのに】

美琴≪そんなことある?まだヘリが来てないだなんて≫

泉希【ちょっと待ってて、状況確認するから・・・うそでしょ?】

美琴≪どうしたの?≫

泉希【現場を出発しようとしたら、急に天候が荒れて出発が出来なくなったっていう報告が来てる。】

美琴≪うそでしょ・・・じゃあ緊急トレインで行くしかないってこと?≫

泉希【ヘリを待つんだったら、そっちの方が早い。】

美琴≪じゃあ、緊急トレインの駅まで走る。湊行くよ。≫

湊『美琴待って。緊急トレインメンテ中だって。』

美琴≪肝心な時に!≫

泉希【万事休すね・・・ここから現場までヘリで15分緊急トレインだと30分歩いて4時間・・・】

真依羅M〈何この行列・・・あの子って美琴ちゃん?ここからの位置なら泉希に聞けるかな〉

真依羅〈泉希、聞こえる?〉

泉希【聞こえるよ。真依羅どうしたの?】

真依羅〈この行列どうしたの?〉

泉希【ホープ搭乗員を乗せたヘリが現場に搭乗員を乗せた後に、天候が荒れて、戻ってこれなくなったの。しかも緊急トレインもメンテナンス中だし、もうどうしようもなくて・・・】

真依羅<じゃあ、こっちで何とかする。泉希、陸海空軍の緊急車両すべてヘリポートに向かわせて。>

泉希【何するつもり?】

真依羅<説明は後でする。あと澪に気づいたら連絡してって言っておいて>

泉希【わかった。じゃあ、任せるよ。】

真依羅<うん!〉

真依羅M〈全部で30台か。いけるでしょ。よし!〉

真依羅〈みんな、聞いて。今30台の緊急車両を用意したから、今並んでいる順番で、緊急車両に乗って。〉

~陸海空軍ホープ保管施設~

美琴≪うそ・・・でしょ・・・≫

湊『屋根が破壊されてる・・・空軍のホープが起動できないし、ホープが保管できない』

健斗〈美琴、お前もここにいたのか。>

美琴≪健斗!空軍も出動命令が出たの?≫

健斗〈出ないとここにいないだろ。海軍はたしか緊急出動だよな〉

美琴≪うん。多分陸軍の隊員が負傷してるっていう情報が来てるの。≫

健斗〈なるほどな。まずはホープが動くか確認するぞ。〉

美琴≪了解。≫

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

泉希【美琴ちゃん、湊君、ホープ起動できそう?】

美琴≪何とかできそう。だけど、固定番号がリセットされてるからどこに出るか、わからない。≫

湊『それは仕方がないよ。美琴。やってみよう。海の中は海軍の担当なんだからさ。』

美琴≪そうだね。やってみるか。これでホープが壊れたら、私が責任を取ればいいし。行くよ!≫

湊『うん!』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

澪「真依羅、泉希から話は聞いたよ。なにするつもり?」

真依羅〈説明は全部終わったらする。ところで澪ってV-30乗ったことある?〉

澪「冷凍保蔵される前に1度だけ。まさか解凍して乗れと?」

真依羅〈やっぱり澪は、理解が早いね。〉

澪「本気で言ってる?」

真依羅〈うん。この方法しか思いつかなかった。〉

澪「馬鹿じゃないの?V-30は、厳重に冷凍保管されてるんだから、パスワードがないと開けられないの知ってるでしょ?」

真依羅<パスワード持ってるって言ったら?>

澪「わかった。V-30に乗ればいいんでしょ?パスワード教えて。」

真依羅<ありがとう、澪。パスワードはSSW〉

澪「OK。ところでバレたらどうするの?」

真依羅〈バレたら、私が責任を取る。>

澪「じゃあ、私は起動準備するから」

真依羅<わかった。>

真依M〈澪、頼んだよ。〉

澪M「よし。起動できた・・・行くか。久しぶりだなぁこの感覚。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

~海中~

美琴≪湊聞こえる?≫

湊『聞こえるよ。今回は出陣場所がランダムだからまずは自分の位置を把握して、ダリウスの位置も把握しないと・・・美琴は今どこにいるの?』

美琴≪どこから出陣したかわからない・・・こういう時は・・・泉希さん!≫

泉希【美琴・湊君、位置情報ONして】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

泉希【ありがとう!2人の位置情報わかったから、あとはダリウスの位置さえ分かれば・・・美琴ちゃんn!近くにダリウスがいる!気を付けて】

美琴≪OK。今ダリウスの鳴き声が聞こえる。≫

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

澪「あとは、海中に出るために装備をしてっと。よしできた!行くか」

泉希【そろそろ見えるはず・・・美琴!よけて!】

美琴≪え?≫

泉希【湊くん!湊くん!】

湊『泉希さん、美琴に何かあったんじゃ?』

泉希【美琴ちゃんが乗ったホープのケーブルが喰われたの。このままじゃ、美琴ちゃんのホープが壊れちゃう!美琴ちゃんの位置情報を送るから、助けてあげて】

湊『わかりました!』

湊『ダリウスは、見つけたけど、ケーブルを巻き付けてないですよ』

泉希【ダリウスが2体いるってこと?ありえない!】

湊『2体どこじゃない・・・10体以上います!』

泉希【うそでしょ?これじゃあ、打つ手がない】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

澪M「ダリウスがこんなにいるなんて・・・ありえない。ううん。ありえるかも。もしかして元はここがサイホーンの繁殖地だったからこんなにサイホーンがいるのかも。まずは海中のサイホーンを殲滅(せんめつ)するか。」

湊M『あんなホープ居たっけ?しかもすっごい強いし。15体のサイホーンを一体で・・・すごすぎ・・・まさか伝説の?』

湊『泉希さん、あんなホープ居ましたっけ?』

泉希【私は見たことない。防衛隊の上司がダミーで出してるんじゃない?】

湊『なんですかね。』

湊M『でもダミーってあんなきれいに殲滅できないような・・・』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

泉希【真依羅。もしかして澪にV-30の起動指示したでしょ?】

真依羅〈気づいた?〉

泉希【気づいた?じゃないの。ばっかじゃないの!ばれたらどうするのよ!】

真依羅〈バレたら、仕方がない。私が責任を取る。もし監督職を解雇されても別にいい。今の役職を守るより今の平和を守る方が大切だから。〉

泉希【真依羅、本気なんだね。仕方がない。私も責任取る。自分の役職を守ることしか考えてない上司を一緒にされたくないのもあるけど、1番は、大切な仲間が戦ってるのに、指をしゃぶって見守るだけじゃ気が済まないから。澪に連絡する。】

真依羅〈泉希、ありがとう。私がホープに乗れれば1番良いんだけど、ホープ側が受け付けてくれないから乗れないんだよね・・・だからあとはと泉希に任せる。〉

泉希【まかせて!】

泉希M【仕方がない。私も本気出すか。裏線を使えば、上司にバレずに澪に連絡が出来るはず】

澪M「裏線からの連絡?真依羅からかな?」

泉希【澪大丈夫?】

澪<泉希!?うん、いつものホープより負荷がかかってる感じはするけど、まだ大丈夫!〉

泉希【よかった。陸上に出るだけ?】

澪「うん。でも陸上で負傷者が出てるっていう情報が来てるからちょっと不安かも現場がどんな感じなのか、わからないから。」

泉希【陸上が海中より倍の数のサイホーンがいるっていう情報が入って来てる。】

澪「マジで?じゃあ、こんな装備じゃだめだな。泉希、真依羅に連絡できる?」

泉希【できるよ。直接、澪に連絡してって言っておくね。】

澪「ありがとう。助かる。」

真依羅<泉希、どうしたの?〉

泉希【澪が真依羅から連絡が欲しいって言ってて】

真依羅〈わかった。ちょっと待っててって言っておいて。〉

泉希【わかった。ところで真依羅は何やってるの?】

真依羅〈それは教えない。絶対に止められるから。〉

泉希【もしかして、V-13を起動させるつもり?】

真依羅<そう。昔は私が乗ってたホープで、これなら乗れるかなって思って。>

泉希【それは、無茶すぎるよ。】

真依羅〈大丈夫。多分いける。〉

真依羅M〈起動できた・・・〉

泉希【真依羅、真依羅!】

真依羅〈起動できたよ。でも操作を覚えてるかわからないけど、〉

泉希【よかった。澪に連絡してあげて】

真依羅〈わかった。〉

~陸上~

真依羅M〈うわ~ひっちゃかめっちゃかになってる。まずはサイホーン片付けないと。〉

澪「真依羅、泉希から聞いたよ。V-13を起動させてたの?」

真依羅<うん。陸上に向かってる。>

澪「真依羅も、派手な真似するね。」

真依羅<どうしても助けたかったから。>

澪「真依羅。陸上戦闘専用武器持ってる?」

真依羅<持ってるよ。けど1個しか持ってないから上から投げてもらおうか?>

澪「うん。お願い。」

真依羅<任せて。泉希にお願いしておく。」

澪「ありがとう。」

真依羅<泉希、陸上戦闘武器を上から投げて。>

泉希【OK】

湊『泉希さん、姉がV-30に?』

泉希【聞こえてた?澪が今V-30に搭乗してる。だから上から陸上戦闘武器投げてくれない?】

湊『わかりました!』

澪「泉希、ありがとう!あとは任せて!」

真依羅<澪、半分お願いしていい?〉

澪「任せて!」

泉希M【澪、真依羅任せたよ。みんなを助けてお願い!】

澪・真依羅〈殲滅完了(そろえなくてOKです!)」


N―20xx年○月×日報告カルテ120―

午前10時にサイホーン出現を確認し、陸軍を派遣。

陸軍から海軍・空軍の応援要請があり、移動できるグループから現場に移動。移動中に天候が荒れ、移動用ヘリ10台すべてが、本部に戻ることが出来なくなった。

緊急トレインもメンテナンス中で、多くの隊員が移動することが出来なくなった。だが、海軍訓練監督の桜真依羅が緊急車両30台を手配し、ホープ保管場所まで行けるようになった。保管所にいけるようになったが、保管所がサイホーンの攻撃により、屋根が破壊された。それにより空軍はホープに乗れなくなり、戦闘中の陸軍と海軍で戦闘することになった。陸軍の約半数が戦闘が出来ない程の怪我を負ってしまった。それと同時に海中のサイホーンが狂暴化し、ユーラ海軍のリーダー佐々木美琴のホープの保護用ホースがサイホーンに絡まり、佐々木美琴の安否がわからなくなった。

柊湊がサイホーンを追って佐々木美琴を救出しようと試みたが、サイホーンが12体出現しており、どのサイホーンがわからなかったところ、マーメイド型のホープが出現、海中に出現していたサイホーンを全て殲滅、その後ホープはV-30と判明。

陸上にも謎のホープが出現。出現したホープはV-13と判明。

V-13とV-13は陸上に出現したサイホーンを全て殲滅。

V-30・V-30の搭乗者は不明。

―報告は以上―


湊『美琴!美琴!』

美琴≪湊。ここは?≫

湊『防衛隊の病院。』

美琴≪私、サイホーンに保護ホープを喰われてたところまで覚えてる・・・≫

湊『そこからV-30が助けてくれたんだよ。』

美琴≪V-30ってあの伝説の?≫

湊『そう!泉希さんは、本部がダミーで捜査してるんじゃないかって言ってたけど、わざわざ解凍するかなぁ?って思って。』

美琴≪伝説のホープだし、わざわざ解凍してダミーで起動させることはしないと思うけど・・・≫

湊『じゃあ、誰が?』

澪『V-30は私が起動させたの。』

美琴≪澪先輩が!?乗ったことあるんですか?≫

澪『解凍される前に1度だけね。でも10年以上前だったから、だいぶ疲れたけどww』

泉希【美琴ちゃん大丈夫?】

美琴≪大丈夫!≫

泉希【ならよかった・・・】

健斗<美琴!大丈夫か!?>

美琴≪健斗。大丈夫!かすり傷程度で済んだから≫

健斗<よかったぁ。怪我がなくて・・・本当によかった・・・>

真依羅〈美琴ちゃん、大丈夫?〉

美琴≪大丈夫です!かすり傷だけで済んだので。それより海軍は?≫

真依羅〈負傷者はいるけど、そんなに多くない。〉

美琴≪良かったぁ。せっかくユーラ海軍のリーダーを任せてもらったのにこんなんじゃ、リーダー失格ですよね≫

真依羅<リーダーとして、良かったと思うよ。だって、的確にリーダーとして行動してたと思うよ。>

美琴≪ありがとうございます。≫

健斗<ユーラ海軍・・・俺もそっち行きたい>

美琴≪どうせ。可愛い女の子に、ナンパでもするつもりなんでしょ。≫

健斗<そんなことしないし。てか俺は美琴しか見てないから。>

美琴≪キモ≫

健斗<ひど!>

美琴≪だって、私のことしか見てないって、ストーカーじゃん。≫

健斗<ストーカーはやめろよ。俺の事そんなに嫌いか?>

美琴≪嫌いじゃないけど、そういうこと言う健斗は嫌い。≫

健斗<じゃあ、言わないから>

湊『そんなことより、おなかすいたから食堂行こ!』


Kーそして、しばらくはサイホーンも出現せず、平和が訪れた。あの事件が起きるまでは・・・

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未来の平和 櫻唏 桃菜 @Sakuragi_Momona

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