第13話
「先生、何やったんすか?」
部屋に戻った俺はドスの効いた声を出して、
イケメン講師に尋ねていた。
「いや、これはさぁ....」
お慌て、幼馴染ユーコにキスしていた唇を離してヤツが言った。
「自然の成り行きってゆーか??」
「指導中にそんなことしちゃいけないんじゃないすか?常識的に考えて」
「いや、休憩がてらさ...」
「始まって10分で休み時間?
集中力のない小学生相手じゃないんすから、
ふざけないで下さいよ」
「あー、まぁ...」
ユーコは目に涙を溜めていた。
「先生、今日のところは帰ってください」
「ん、分かった。
あのさ、今日のこと、黙っててくんない?
まさか、家庭教師協会に言っちゃう?」
「あ、言いませんよ。
だから、とっとと、帰りやがれっ!!」
「ああ」
先生は逃げるように荷物を纏めて帰って行った。
見送りはしない。
真島先生の時は、丁寧にお辞儀をして
見送ってたけど、ヤツは別。
もう二度と俺の家の敷居跨がせるかってゆーんだ!!
「おい、ユーコ、大丈夫か?
何された?キスと?」
「む、胸を触られた...」
「バカ。お前も悪いんだからな。そんな
胸の開いたトップスなんて着てるから。
誘ってんだろ?って言われても、
あんまり言い返せねーっつーか、その、
格好はさ」
「う、うん」
やけに素直だった。
煩いな!と言い返してくるかと思ったのだが。
それから、徐にユーコの奴は、
「こ、これ、シンジの為に、着たの!
そ、それからメイクだって、このミニスカだって、あんたの為、、あんたが、私を女として意識するよーにって、思って」
「え?」
「イケメンの先生に甘えた声出してみせたのも、シンジが焼きもちやくように...」
「え?」
「だ、だからっ、全部、この、男を誘うような格好とか言葉遣いとかシンジを振り向かせよーと思ってっっ!」
「....何だよ。お前も女子らしいとこあんじゃねえか。今まで、男だとばっかり思っていたよ」
そんなことを俺が呟いたら、いきなしハグされた。
「うわぉ!」
俺が悲鳴を上げて直ぐに。
ユーコが俺の口を塞いだ。
「んっ...」
それから、ちょっとして、彼女の唇が離れて。
「消毒してよ。イケメンの先生に
汚されちゃったんだから!シンジの
舌、もっと激しく、絡めて綺麗にしてよっっ!」
俺は真っ赤になった。
「しれっと、エロいこと言うんじゃねぇよ!」
「ん...」
ユーコのヤツが目を閉じて、俺にキスのおねだりをしてきた。
「仕方ねぇな...」
俺は心ゆくまでユーコとキスしたのだった。
さて。
ここから先は後日談。
クズいイケメン講師はクビになった。
俺が本部に生徒にした淫らな行為を洗いざらい報告しちまったからな。
マジでクズいイケメン先生に
「黙っててくれよ」って言われたけど。
俺が素直に話しを聞く輩だと思うなよ、
パーカ!!
それから、
俺の家庭教師はユーコになった。
「シンジ、もっと早く、もっとスピードあげて、問題解きなさいっ!」
「お、おーよ。てか、お前、厳し過ぎねぇか?」
「う、煩いっ!受験で時間が足りなくなったらどーすんのよっ!」
「ま、まぁ、そーだな」
「私はシンジの第一志望の高校は余裕で入れるけどっ!シンジは現状のままじゃ危ないんだからね!」
そして、歳月流れて。
受験が終わり、三月某日の結果発表の日。
俺はユーコと同じ高校を受け、
なんとか合格した。
ユーコの奴は県で一番の進学校に行きたいと
真島先生の前で言ってたけど。
ランクを下げて、
俺の第一志望の高校受験した。
なんでも、ユーコ曰く。
「シンジと同じ高校行く!
浮気させないために!見張っててやるんだから!」
ということだった。
俺の義妹が、こんなに嫉妬深くてかわいいとは
思わなかったぜ。マジで。
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親の再婚で男みたいな幼馴染が義妹になったんだが、美人で巨乳な家庭教師の先生にメロメロになってたら男女がセクシー美少女化して更にどーしようもないツンデレ女子だと判明しました。 雲川はるさめ @yukibounokeitai
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