第12話

ユーコの奴。

イケメンを前にして、デレデレしちゃってさ。

ムカつくわ、何だか。

まぁでも、俺も、美人教師を前にして鼻の下伸ばしてた訳だから人のこと言えねぇな。


「ここはさ、この公式使うといいよ」

「あ、なーる!」


俺がお手洗いに立った時。

ユーコと目が合った。 


ちょっとしたアイコンタクトで、

俺、トイレ。と目配せした。

用を足した後、台所に出向いて麦茶を飲んでた。二人きりにしてやったんだ。

家には俺とイケメン教師と、

義妹ユーコしかいない。


俺が席を外した5分間。

絶対、ユーコ的にはイケメン講師と二人だけになっててうはうはだと思ってたのだが、違った。


「イヤーッ!!」


な、なんだよ、ビビるな、

どーしたんだよ!?


俺はユーコの悲鳴を聞いた。

ただならぬ、悲鳴を。


ガチャーン!

麦茶が入っていたグラスが俺の驚きで手から離れ、床に落ちた。


片付けたいが、

ユーコが心配だった。


何だよ、どうしたんだよっっ!

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