第3話告白②

「小百合はパイパンでしたよね」


二度目のコーヒーを噴出したが、先程とは違い余り口をつけてないのが幸いして、テーブルに少し飛沫が飛んだだけで済んだ。


「小百合がそうしたのも、口に毛が入るのが嫌だったのと後、陰毛の妖精って知ってます?」

「何でこんなところに陰毛が挟まってるんだって事象の事ですよね」

「それです。お気に入りの本に挟まっているのを見て小百合が激怒したんですよ。それもあって剃るようにしたんですよね」


何処か懐かしむように柊さんは言った。


「因みに私も剃ってます」


うん。それを聞いて俺にどうしろと?


「裕也さんも剃ってるんですよね」

「小百合は何でそんな事まで言ったの? そんな性的な事も柊さんに話してたの?」

「左胸にキスマークをよく付けてましたよね?」

「えっ…と…はい」

「重ねて付けようとしたら小百合に怒られました」

「そ、そうすか」

「後はですね…小百合は左胸の乳首が少し陥没してて、そこを責め続けるとイクんですよね」


俺以外にも、それを知ってる事実に悔しいと思った。それと同時に、柊さんと小百合の関係が本当の事であると思った。


「柊さんと小百合の関係は嘘はないようですね。よく分かりました。正直、悔しくもありますが」


苦笑する俺を見て、柊さんは安堵したように一息を吐いた。


「怒鳴られなくて良かったです」


もし、柊さんが男だったら殴ってた。態々、口に出さないが。


「小百合が俺に柊さんを紹介しなかったのは、やはり疚しさがあったからですかね?」

「何回か会わせて欲しいとお願いした事あるんですよ。やっぱり気になるじゃないですか? あの小百合が選んだ相手って」


柊さんが言葉を切って、俺を見つめる。

何だか、観察されているようでむず痒い。


「疚しいというのは理由のひとつとしてあったと思います。まあ、後は秘密でお願いします。一応、全部話そうって覚悟して来てますけど、話せる事と話せないラインはあります。ごめんなさい」


そう言って、柊さんは頭を下げる。

俺としては小百合の事だから聞きたいのは山々だが、そういう関係の二人だったからこそ話せない事もあるのかもしれない。柊さんは赤裸々に語ってくれてる。無理強いしても仕方無い部分はあるだろうし、何より柊さんが俺にこんな話を何故、するのかまだ真意が見えない今は聞くべきじゃない。


「残念ですけど仕方無いですね。所で、小百合と連絡はどう取ってたんですか」


これはカマかけだ。

LINEではないのは俺が小百合に見せてもらった事があるから間違いない。柊さんの名前は連絡先にも無かった。

この問いに対して柊さんは、国民的ともいえるゲームアプリの名前を上げた。そこのメール機能を利用していたらしい。

上手い事を考えるものだな、と感心してしまった。


「小百合は裕也さんが一番だったんですよ」

「そこは疑ってませんよ」


これぐらいの意趣返しは勘弁して欲しい。

やっぱり、同性相手といえど嫉妬する気持ちはあるのだから。

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俺の彼女はキミの恋人だった。 黒畜 @825892

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