金縛り(140字小説)

塩塩塩

金縛り

『金縛りだ!』

唯一動くまぶたを開けると、枕元に男が見えた。

『あ、落ち課長』

落ち武者がまげを結っていない武者である様に、七三分けにしていない課長は落ち課長なのだ。

私は脂汗をかきながら、前髪を垂らした落ち課長と見つめ合った。

しばらくすると金縛りは解けたが、翌朝、課長に挨拶する私の頬は赤かった。

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金縛り(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t

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