Ash
薊
灰色を窓辺に。
深夜2:00 街の輝きは失われていった
あなたが好きだ、といった曲を 私はベランダで聴いていた
濡れて重くなったまつ毛を上げ 小雨が降る夜にため息をつく
「またね」って言葉が 脈打つ14cmに刺さったままで
涙が止まらず溢れた
確かにあなたに愛されていたのに
まだ忘れられずに ずっと思い出してしまう
バカだよね 本当に
あぁ 雨がひどくなってきた
「報われたい」なんて思わないけど
少しだけ すこしだけ もう少しだけ傍にいて欲しかった
あなたの瞳には 私が移ることなんてないのにね
夜風に揺れるあなたのシャツ
確かに私は愛していたのに
朝焼けに殺された深夜の私
遠くで微かに鳴いている踏切の声
私の未練を轢き殺していく
まだ忘れたくない ずっと思っていたいのに
バカなんだ 私はさ
あぁ 夜明けが近くなっている
「報われたい」なんて思わないけど
少しだけ すこしだけ もう少しだけ愛してあげたかったな
愛しい人へ。
Ash 薊 @Thistle_misanthropy
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