第4話

目白の料亭にて。



サシでマヒロのやつと話し合ってた。

いや、正確には口喧嘩してた。


「なんで来た?」


「おまえ、俺が出した条件全て当てはまってねーだろ?」


「ううん。そんなことない。全てパーフェクトに満たしてるわ」


「いや、おまえ、職業看護師じゃねぇだろーが!」


「ギャル服のアパレルショップ店員は辞めたの。

今、看護学生。手に職をつけようと思って、

今年の四月に入学したわ」


今、季節は五月。

本当に最近だった。


「...っ!!」


「家庭的、優しい、性格がいい、

浮気を許してくれるってゆーのは?」


「全てクリアしてると思うわ」


「フン...!見知らぬ美少女と街で事故キスしたとき、俺の首を締めて殺そうとしたろ?」


「全く記憶にございません」


しらばっくれやがって、この!


「いや、俺はな、優しい女がいいわけ!

おまえみたいなガサツな女はお断りなの!」


「じゃあ、根本的に性格を変えてあげましょうか?」


「お、おう。できるもんならな」


「茶道を習うわ。そして、お着物教室にもゆくゆくは通う予定。大和撫子、目指そうかな」


「フン、やれるもんならやってみろってゆーんだ!!飽きっぽい性格のお前が、

お茶を立てるなんて!無理ゲーだろ」


「結構なお手前で、なんて言えるわけがねぇ」


「やってみなきゃわからないわよ」


「じゃあ、最後に。

おまえ、夜が上手いのかよ?」


「わりーけど、そこ一番重要だぞ」


「多分」


「え?なにその、多分て?」


「まだ初めてだから、自信のほどはないけど、大人向け動画を見て、色々勉強したわ」


「ま、マジ...!?」


俺の中では。


幼馴染はアパレル店員してたっていうのもあって、ギャル服を売っていたんだけども。

メイクや服装もど派手で、街を歩けば

ナンパの嵐だって事あるごとに俺に電話で自慢してた。


常日頃、ショーツが見えるんじゃねぇかってミニスカ履いてたからな、その服装コーデで男を誘っていると言っても過言ではない。


「今日、街歩いてたら、また男の人に誘われちゃったぁ」


「今、ヒマ?とか言われてさ。

暇ならどっか遊びに行こうよーってさぁ」


「どっか休めるところ、行こうよー」

ってイケメンに言われちゃったぁ」


なんて話して聞かせていたんだ。


だから、まさか見た目ド派手の幼馴染が、27歳にもなって初めてだとか、、、



「そんな嘘だろ...?おまえ、未経験なの?」


「うん、そーだよー」


強気に構えてた幼馴染が一気に顔を赤らめた瞬間だった。


俺は急に喉の渇きをおぼえて

一気にお冷を飲み干した。


そして言ったんだ。


「信じられねぇなぁ...」


「あのね、シンジの為に、初めてはとっといたってゆーかぁ...」


「ううっ...」


急な上目遣い。


潤んだ目。


反則だろ。


「私を本当の彼女にしてくれる?」


流石にこの状況、断れない。



「ああ...」


「結婚を前提にお付き合いしてくれるんだよね?」


「あ、ああ...」



偽の彼女が、本当の彼女に昇格した瞬間だった。


マヒロがパッと笑顔になった。


「そうと決まれば、私の家に今日泊まりなよ!!今夜、お父さんもお母さんも新婚旅行に

出かけてて、家に誰もいないんだよ!」


「き、気が早くないか...!?」


「色々、試したいんだよ!夜の勉強の成果、

見せたいってゆーか?」


今度は俺が真っ赤になった。




さて。俺とマヒロは一夜をともにしたんだが。


歳月流れて。


俺はマヒロと籍を入れた。


そんなに盛大ではないが、

結婚式をあげた。




それにしても、だ。

見合いから三年が経過した

今現在。

マヒロは俺が出した条件全て満たしていた。


今夜も俺は。


嫁と寝室でイチャイチャする予定。

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お見合いが嫌な俺はエッチが上手いなどと各種条件を 出したら元カノな幼馴染がやって来た件 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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